過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」 part10
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949:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/21(木) 16:00:26.30 ID:MmUahvQ/0
「ラブとピースを乱す輩は、この私が……」

 目を閉じて余韻に浸りながら、誰に聞かせるでもなく、穿って見れば自己陶酔とも取れる台詞を吐き出そうとして、止まる。

 ふと思いつき、先の戦闘を思い返す。
 視界外からの奇襲。攻撃を封じて弱点を捉える。

 一方的だな、と。

 これはラブとピースに則しているのであろうか。───無論、戦闘行為自体が則していないと言えるが───もしかして自分もあまり人の事を言えないのか?

 よくわからない。
 いつもこう言う時になると自分の中の何かが………

「……ァ…ぁ…」
「!…」

 不意。そんな思考を突くように、未だ活動を止めていないカースの核から泥が染み出す。

 ──まあ、カース相手に考えても仕方のない事か。

 そう唱えて思考にとりあえずの決着を付けると、握る手に力を込めて色欲のカースに止めを刺した。

 ぱきゅん、と子気味の良い音を鳴らして弾け飛んだカースの核が桃色の粒子を散らす。
 どことなく幻想的な気がしないでもない、とぼんやりと考えていると───背後からだろうか、耳を済まさなければ聞き逃してしまいそうな呻き声が鼓膜をくすぐった。

 叫び声を上げた存在だろうか。 
 なるだけ好意的な笑みを形作り、背後に「もう大丈夫ですよ!」と明るい声を投げかけると、帰ってきたのは柑奈の虚を突く返事だった。

「…み、みぃ……」

 否、返事ではなく、鳴き声と形容するべきだったかも知れない。


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