32: ◆hSU3iHKACOC4[saga ]
2014/05/09(金) 13:50:22.47 ID:zyFBEZ370
京太郎の手作りの地図を受け取ると京太郎に御礼をしたいと老人がいい始めた。
「ここまで親切にされると、さすがにまったく何も礼をしないわけにはいかない。
よかったらこいつを持っていってくれ。
なに、たいしたものではない。
雨が降りそうだろう。
君はどうやら傘を持っていない。
私のことは気にしないでいい。
電車に乗っていくからね。
君はこれから探し物をするのだろう。
雨にぬれて探し物をするよりはいいはずだ。
なんてったって防水加工もされている」
そういって、老人はどこからかマントを取り出した。
百八十センチを越す京太郎の体でもすっぽりと隠せる大きさだった。
このマント少し昔の時代のデザインをしている。
袖を通すものではない。
ポンチョのようなものだ。
大正時代の学生が着ていたのをどこかで見たことがあると京太郎は思った。
京太郎は断ろうと思った。
そこまでのことはしていないからだ。
そもそも地図ひとつでこんないいものをもらうのは無茶がある。
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