過去ログ - 京太郎「操り人形よ、糸を切れ」
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31: ◆hSU3iHKACOC4[saga ]
2014/05/09(金) 13:47:42.88 ID:zyFBEZ370

 商店街に向かう道のりに、交差点がある。
見通しがよく、まっすぐに伸びた道が四つ重なり十字を二つ切った形になっている。
 交差点で京太郎は声をかけられた。
老人だった。
背が高い、それに非常に整った顔つきである。
若いときにはずいぶんもてただろう。
老人が京太郎に言う。
「すまないが、リュウモンブチまでの道を教えてもらえないかな。
このあたりに土地勘がなくてね」
老人のそばに黒猫が控えていた。
緑色の瞳をした印象的な猫だった。
黒猫は京太郎を見てニャーンとないた。
 京太郎は老人に地図を描くことにした。
リュウモンブチまでの道のりを言葉で説明するのが難しかったからだ。
そもそも清澄からリュウモンブチまでは歩いていける距離ではない。
京太郎は思いつく限りの手順をノートに書き記して、老人に渡した。
 どうして地図を描こうと思ったのかはわからない。
なんとなく助けようと思っただけのこと。
人を助ける理由をいちいち必要としない性格である。


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