55: ◆hSU3iHKACOC4[saga ]
2014/05/17(土) 06:16:42.41 ID:dE+hyaGd0
しかし冒険せねば成らないときもあると彼は考える。
「もしかしたら自分と同じように襲われた人間なのかもしれない」
そのもしかするとを考えたとき、捨てておくわけには行かなかった。
襲われたのならば、また戦うしかないだろう。
彼はごみの山から、武器になりそうな、先端がとがった鉄パイプを拾った。
そして恐れながら声のするほうへと歩いていった。
声はごみの山からきこえていた。
ごみの山に近づいて
「誰かいるのか」
と声をかけてみると、
「きてくれたのか。
生きているものの波動を感じて、声を出してみたんだ。
近づいてきてくれてありがとう」
と返ってきた。
声の主がごみの山に埋もれていることに京太郎は気がついて、ごみをどかしていった。
ごみの山には、金属のかけらのようなものが引きちぎられてばら撒かれていた。
折れた剣の残骸もあった。
物騒な場所である。
彼は声の主の姿を見て驚いた。
人形だったからである。
細かい飾りはついていない。
ポーズをとらせて人の動きを見る人形があるが、それとよく似ていた。
それが口をきいていたのだ。
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