過去ログ - 阿良々木暦「ゆきほエンジェル」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/09(金) 20:25:08.82 ID:OHJpcaUT0

「萩原、彼女が僕の後輩で千石撫子。千石、彼女は僕の担当しているアイドルの萩原雪歩」

「よ、よろしくお願いします!」

「よろしくね、雪歩ちゃん」

「でも、僕の知らない間にこんな大人気作家になってたんだな。結果として遅れちゃったけれど、おめでとう千石」

「そんな、私なんてまだまだだよ……暦さんもアイドルのプロデューサーになったって月火ちゃんに聞いてたよ……ふあぁ……」

最後のはあくびだ。
何日か徹夜していると予想される。

と、隣で沈黙を保っていた萩原が声をあげる。

「あ、あのっ!!」

「あ、ごめんね、お構い出来なくて……」

「いえっ、私ごときの事はどうでもいいんです! そ、そそそそれより!」

「落ち着けよ萩原……ほら深呼吸」

僕に肩を押され、すうはあすうはあ、と何回か深呼吸をする萩原。
こんなに取り乱す萩原も珍しい……せめてこの千石の仕事場に穴を掘りませんように。

「さ、サインくださいっ!」

「うん、喜んで」

「私っ、先生の漫画の大ファンなんですっ! それで、主人公の役をやら せてもらえるって聞いて、嬉しくてどうにかなっちゃいそうですぅ!」

そんなに面白いのか……漫画は滅多に読まないんだけど、僕も今度読んでみようかな。

「おい萩原、それくらいにしておけよ……」

「うるさい」

刹那、ぼそりと呟いた萩原の言葉が氷のように冷たく背筋を伝った。
確かに憧れの先生との邂逅の邪魔をしたのは僕だが、萩原らしくもない。

いや、言葉云々が、ではない。

雰囲気が萩原らしくない。

萩原に黙れなんて言われるのは僕にとってはむしろご褒美レベルなのだが、今の殺気とも形容できる冷たさはなんだ?



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