過去ログ - 阿良々木暦「ゆきほエンジェル」
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/09(金) 21:06:40.73 ID:OHJpcaUT0

定時も過ぎた頃、僕は社長室の扉を叩いた。
少しの間の後、中から低い声が響く。

「入りたまえ」

「失礼します」

高木社長。
いつもは目立たないが、何気に僕が大人物と慕っている人だ。
この人の決断の速さと器の大きさは絶対に一生見習えないと思う。
何故か顔を思い出そうとすると毎回思い出せないのが不思議だが。

「……社長、お話が」

「ふむ……? こんな時間に、ということは大事な話かね」

「はい……これを」

僕は一通の封筒を社長に差し出す。

夢のような半年だった。

僕には勿体ないくらいだ。

化物と今を輝くアイドルは相容れない。

最初にそう言ったのは、僕だったじゃないか。

「阿良々木君……これは」

「突然で本当に申し訳ありません……けれど、考えに考え抜いた結果です」

高木社長に手渡した封筒に筆ペンで記入した文字は、『退職届』の三文字。

ああ。

これで終わりにしよう。



ゆきほエンジェル END



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