32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:28:05.07 ID:SCFqxrX60
 手紙を読み終わり、静かに封を閉じる。 
  
 ありがとう新堂、今ままで私のワガママを聞いてくれてありがとう。 
  
 さようなら。 
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:28:49.91 ID:SCFqxrX60
 席に押し付けられる感覚の後、飛行機が離陸していく。 
  
 ここまで追っ手が来ないのにちょっと不安を感じてたけど、今のところ問題なしかしら。 
  
 「はー、どうするのでこちゃん。日本帰れなくなったよ?」 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:29:39.65 ID:SCFqxrX60
 「やっぱりね、ミキは伊織と一緒にいたいの。2人だけになってもさ」 
  
 美希の言葉に少し顔が熱くなるのを感じる。 
  
 「・・・・・・ずいぶん大胆なこと言ってくれるわね」 
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:30:15.58 ID:SCFqxrX60
 「ところで、伊織なんでイタリア?」 
  
 「・・・・・・昔ね、家族である場所を訪れたことがあってね」 
  
 「へぇー、どんなところ?」 
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:31:23.11 ID:SCFqxrX60
 ボートを借りて、あの懐かしい洞窟まで近づく。 
  
 「伊織ー、あーづーいーのー」 
  
 片側で漕いで美希がだれかけてる。 
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:31:51.09 ID:SCFqxrX60
 「さて、美希。着いたわよ。ここが青の洞窟の入り口よ」 
  
 「伊織ー、どこが青なの?」 
  
 「この洞窟の中よ、さて美希、潜るわよ」 
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:33:15.47 ID:SCFqxrX60
 潜って洞窟を抜け、ボートの上に這い上がる。 
 美希は一足先に上がっていたようで、目の前の光景に目を奪われていた。 
 「・・・・・・すごいなの」 
 吸い込まれた光が海を輝かせ、洞窟自体が青く輝いている。 
 「すごいすごい!・・・・・・でも、なんでミキをここに?」 
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:34:02.05 ID:SCFqxrX60
 「それでね、私が世界で1番大好きな人とここに訪れるのを夢持ってたの」 
  
 そう語って美希を見ると、目を落としたまま少しおちつかない感じだった。 
  
 「・・・・・・それがミキで良かったの?・・・・・・」 
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:34:31.22 ID:SCFqxrX60
 「美希、アンタの笑顔よ。大好きな人の笑顔が加わってこの景色は完璧になるの」 
  
 私の夢は、この私の1番の場所を1番大好きな人と見て、1番大好きな笑顔を見ること。 
  
 「伊織・・・・・・」 
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:35:25.86 ID:SCFqxrX60
 「ねぇ、美希。私とずっと一緒でいましょう。この先なにがあるかわからないけど。2人なら、大丈夫」 
  
 言っちゃったわね、でも美希となら一生一緒にいられるわ。 
  
 喧嘩もしちゃうかもだけど、それが幸せなんだってことだと思う。 
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:36:12.41 ID:SCFqxrX60
 「・・・・・・おっかしいなー、伊織が囚われのお姫様でミキが助ける王子様のつもりだったのに。先にプロポーズされちゃったの」 
  
 あーあー、やっちゃったわね私。 
  
 一瞬の沈黙の後こらえ切れず噴出し、美希も釣られて笑い出す。 
46Res/22.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。