過去ログ - 咲「今日のお薦めはこちらですか?」ハギヨシ「はい、この本です」
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2014/05/12(月) 18:51:01.59 ID:uzFCl8vE0
彼の、特別になりたい。
その願望が、何を指し示すのか知らないわけはない、気付かないはずもない。
きっと最初に図書館で出会ったときに、自分は恋に落ちていたのだろう。
以下略
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>>24ミスです
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2014/05/12(月) 18:55:29.98 ID:uzFCl8vE0
彼の、特別になりたい。
その願望が、何を指し示すのか知らないわけはない、気付かないはずもない。
きっと最初に図書館で出会ったときに、自分は恋に落ちていたのだろう。
以下略
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2014/05/12(月) 18:59:21.90 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシ「前回の本は、どうでしたか?」
咲「最後まで展開が読めなくて面白かったです。ついつい夜中まで読みふけっちゃいました」
ハギヨシ「最近、一日と置かずに読み終わりますね。貴方の読破スピードは大したものですよ」
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2014/05/12(月) 19:03:23.72 ID:uzFCl8vE0
咲「それに、最近の萩原さんのお薦めは短篇集ばかりですし、読み易いんです」
ハギヨシ「…短編は、お嫌いでしたか?」
ふと、ハギヨシは心無しか何かに構えるようにして声をひそめた。
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2014/05/12(月) 19:07:56.95 ID:uzFCl8vE0
咲「萩原さん。今日のお薦めは、こちらですか?」
ハギヨシ「はい。――この本、です」
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2014/05/12(月) 19:12:01.60 ID:uzFCl8vE0
何か本を推薦してください、と請うた咲に、ハギヨシはいつでも真摯に対応してくれた。
咲の好みである海外ミステリーから日本の純文学まで、それこそジャンルは幅広く。
最初の頃は数冊まとめて勧めてくれていたのだが、
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2014/05/12(月) 19:15:03.52 ID:mMTreFOu0
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2014/05/12(月) 19:17:05.62 ID:uzFCl8vE0
それがいつもの流れだったのだ。
こんな風に、本を差し出すのを躊躇われたことはなかった。
戸惑いながらも両手を揃えて差し出せば、そこにそっと本を乗せられた。
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2014/05/12(月) 19:20:10.64 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシは静かに席を立ち、今だに流れについていけない困惑顔の咲を一度見つめ、
そうして意を決したように踵を返し本棚の向こうへと消えていった。
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2014/05/12(月) 19:26:55.58 ID:uzFCl8vE0
そうして。
ぱさ、と指先に触れたのは、二つ折りにされた、薄い白紙だった。
咲「え……?」
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2014/05/12(月) 19:30:13.58 ID:uzFCl8vE0
それでも、真実だった。
短く綴られた言葉に込められたその気持ちは紛れも無く真実だった。
視覚情報の処理が追いついて、ぶわりと全身が粟立った。
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