過去ログ - 咲「今日のお薦めはこちらですか?」ハギヨシ「はい、この本です」
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2014/05/12(月) 19:07:56.95 ID:uzFCl8vE0
咲「萩原さん。今日のお薦めは、こちらですか?」
ハギヨシ「はい。――この本、です」
以下略
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2014/05/12(月) 19:12:01.60 ID:uzFCl8vE0
何か本を推薦してください、と請うた咲に、ハギヨシはいつでも真摯に対応してくれた。
咲の好みである海外ミステリーから日本の純文学まで、それこそジャンルは幅広く。
最初の頃は数冊まとめて勧めてくれていたのだが、
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2014/05/12(月) 19:15:03.52 ID:mMTreFOu0
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2014/05/12(月) 19:17:05.62 ID:uzFCl8vE0
それがいつもの流れだったのだ。
こんな風に、本を差し出すのを躊躇われたことはなかった。
戸惑いながらも両手を揃えて差し出せば、そこにそっと本を乗せられた。
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2014/05/12(月) 19:20:10.64 ID:uzFCl8vE0
ハギヨシは静かに席を立ち、今だに流れについていけない困惑顔の咲を一度見つめ、
そうして意を決したように踵を返し本棚の向こうへと消えていった。
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2014/05/12(月) 19:26:55.58 ID:uzFCl8vE0
そうして。
ぱさ、と指先に触れたのは、二つ折りにされた、薄い白紙だった。
咲「え……?」
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2014/05/12(月) 19:30:13.58 ID:uzFCl8vE0
それでも、真実だった。
短く綴られた言葉に込められたその気持ちは紛れも無く真実だった。
視覚情報の処理が追いついて、ぶわりと全身が粟立った。
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2014/05/12(月) 19:36:19.44 ID:uzFCl8vE0
最奥へ向けて、咲は歩き出す。
期待と困惑と切望とで心臓が暴れるせいで呼吸が乱れる。
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2014/05/12(月) 19:39:47.70 ID:uzFCl8vE0
書かれた文字。短い言葉。
愛の告白のような、
あいのこくはく、のような、
以下略
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2014/05/12(月) 19:42:59.92 ID:uzFCl8vE0
咲「萩原さん!」
本棚の一つの縁に手を掛けて、こちらを待っていたような様子で佇んでいた彼を、見つけた。
ハギヨシ「…宮永さん」
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