過去ログ - ウートガルザロキ「フィアンマちゃんは、俺の」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/05/12(月) 23:32:58.27 ID:A0cQK16M0
世界は、歪んでいた。
穢れて澱んで、救いようがなかった。
物心がつく前から、俺には夢がなかった。
普通の子供であれば、きっと何がしかのものがある。
夢を持てるような家庭環境などあり得なかった俺は、その頃には嘘をつくようになっていた。
大きくなったら。
お父さんの仕事を継ぎたいです。
立派に経営していきたいと思います。
大嘘だ。
俺の父親は、娼館を経営していた。
曽祖父の時代までは、それなりに格式ある娼館だったと聞いている。
だが、祖父の時代で経営が傾き、親父が継いで、何でもアリの下卑た場所になった。
麻薬を打たれ、よがり狂って死んだ女の死体の処理を何度もさせられた。
穴を掘って埋め、穴を掘って埋め。
時には、薬の効果で一種の色情狂となった女の相手もさせられた。
精通もしていない身体で相手をするのは、拷問に等しいものだった。
酒を買いに行かされた。
子供相手でも容赦なく、そして重い酒瓶を売る店だ。
雪の中だろうが炎天下だろうが、ほぼ毎日。
『ただいま……』
『だいぶ暗くなってきたな。
そろそろ客が来る、倉庫にこれ持って行け』
銃の類だった。
のろのろと倉庫に入れ、俺は再び元の場所へ戻る。
毎日の睡眠時間は5時間程度(時々邪魔が入る)で、暇はなかった。
母親は店の娼婦だった。父親が酒の勢いで手をつけ、出産と同時に死亡。
哀れで顔が良い女だった、と父親は言う。
俺は母親に似ているらしいが、鏡を見ても実感が持てない。
写真一つないのだから、永遠に知る機会なんて無いだろう。
『ねえ、今夜私の部屋に来ない?』
『ごめんねおねーさん、すんごいうれしいんだけど…きょうおつかいで』
『そう、残念。また一緒に"寝よう"ね?』
くすくす。
不愉快な笑いに合わせ、にっこりと笑みを見せる。
女のハートも、体も、射止めるのにかかる時間は一瞬だ。
甘い言葉をかけて、欠点を許容する姿勢を見せればすぐにオちる。
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