過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:14:58.88 ID:sWnNovzn0

 大森林にすむエルフは決して人間に対して友好的ではないが、少なくとも敵対してはいない。彼らの技術力や資源は俺たちにとって必要不可欠で、人間側――特に隣接し直接取引をする俺たちの国は大々的にエルフへの援助を申し出ている。
 が、当然魔王軍がそれを許すはずはなかった。交易の要衝となる地点には砦が立てられ、人間側とのにらみ合いが続いている状態にある。

 砦の数や魔物の質は魔王領のある西域に近づくにつれて上昇する。残念なことに俺たちが現在いる地点はかなりの西寄りだった。覚悟を決めなければ。

僧侶「どうにかかわしていけないでしょうか」

傭兵「幸いこっちは少人数だ。山越えの要領で行けば、案外何とかなるかもしれんが」

 それは希望的観測だろう。決して現実的な展望とは言い難い。

傭兵「あそこの砦はオークが住んでいる。数だけは多いが、練度は大して高くない。この辺りは田舎だからな、気も緩むさ」

僧侶「知ってるんですか?」

傭兵「一度な」

 意図的にずれた答えを返して、俺は地図上を指でなぞる。

傭兵「エルフの方には伝手がある。大森林に入ってしまえばこっちのものだ。あそこ全てがエルフの領土と言うわけでもない、とやかくは言われないだろう」

 人間の村落も点在しているはずだ。うまく安全地帯を渡り歩けば、抜けるのはそう難しくない。



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