過去ログ - 姫様「では、頼みましたよ勇者」
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89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/17(土) 12:22:34.43 ID:CZK2LZcM0

おぼろげな夢の内容はそんなことばかりで、
今の彼女にはどういうことだったのか、理解が及びませんでした。

何も思い出せず、ただ思うことといえば、人を殺すのは悪いことだよね、そういうことだけなのでした。


店員「……それにしても、あの人、すごい睨んでいたけれど、なんだったんだろう」

仄かな外灯の明かりに照らされた夜道を、買い物袋を抱えて、彼女はひとりごちた。

まるで視線で射殺さんばかりの気配で、こちらを睨んでいた女の子

その顔を見ていると、やはり不安になるというか、言いようもないもやもやといた感情が、心の内に湧き上がった。


店員「なんだろう、この気持ち……私はあの子の、何かを知ってるのかな?それとも」

そうやって幼い顔を鹿爪らしくして、考えを深く巡らせてしまったせいで

彼女は夜闇のなか、道を外れたことも
鼻先に漂う、その刺激臭にも気づくのが遅れてしまった。


店員「…うっ、何だろう…何処かに動物の死体でもあるのかな…?」

ようやくそのことに気がついた瞬間
彼女にむかって幾本も腕が伸び、その体をがっちりと拘束した。


店員「!?!?…ぁ、んぐ?!」


その腕に抱いていた袋を邪魔っ気とばかりに払いのけ、

とうとう口まで塞いで、腕の先の茂みの中に引き摺り込んでしまった。

指先が何かを掴みたくてもがいて
しかし、その甲斐もなく、空を切るばかりなのでした。



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