12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/14(水) 19:40:46.64 ID:nm2l17/f0
転んだ少女の身体を慮れないのは紳士としてあるまじき態度かも知れないが、僕は僕で濡れた衣服が肌にひっつかないよう服を引っ張るのが精一杯なのだった。
付け足すと、忍は気付いたらいなかった。
危機を感じて一瞬で影に潜ったのだろう。
「す、すみませんごめんなさい! た、大変! 火傷しちゃう!」
転んだ少女は現状を把握したらしく慌てて僕に駆け寄って来た。
そこまではいいのだが、事もあろうことか彼女は僕の衣服を強引に脱がしにかかってきたのである。
「脱いでくださーい! はやくー!」
恐らく彼女も錯乱しているのであろう。
間に合わなくなっても知らんぞ、と言わんばかりに僕の身を案じて力一杯に僕の服を引っ張るのだが、残念ながら僕の服は横に引っ張って脱げる構造をしていなかった。
「痛い痛い熱い痛い!」
「脱いでくださーい!」
結局、引っ張られ脱がされてひん剥かれ、彼女は僕がタンクトップとパンツだけになるまで離してはくれなかった。
…………。
「……」
そして数分後、かの有名な子供のとーちゃんの部屋着のような格好をした大学生と。
「え、えーっと……」
花も恥じらう女子高生が、ミスタードーナツの店内で向き合うと言う異様な光景が爆誕したのであった。
「ご、ごめんなさい……?」
これが、後に僕の人生の分岐を左右した、天海春香との出会いだったのである。
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