過去ログ - 遊佐こずえ「つれてってくれるから」
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2014/05/17(土) 00:53:40.11 ID:SBYvJ4MO0
こずえは覚えが早く、ダンスも歌も、あっという間にものにしていく。私は彼女の優秀さに、安堵を覚えていた。彼女は一人で成長してくれる。それは私の育成を必要としない、ということでもある。彼女は私の実力不足で、失脚することがないのだ。過去に所属していたアイドルたちのおかげで、仕事の伝手は余りあるほどだったため、彼女はすぐに、多くの仕事を持つようになった。
毎度のことだが、こずえはレッスン終わりに、私を呼び出してくる。彼女いわく、着替えさせてほしいのだという。彼女は仕事が得意なわりに、着替えなどを上手くできないらしい。
「ぷろでゅーさー……ここには、こずえのほかに、だれもいないのー?」
着替えの最中、こずえがそんなことを訊いてくる。私はなんと言うか迷った挙句、正直に話すことを選んだ。
「アイドルなら、こずえ以外にはいないね」
答えると、こずえは二度瞬きをして、間をおいてから言う。
「こずえはねぇ……おねえさんが、ほしいー」
私が短く相槌を打つと、こずえはそれっきり、口を閉ざしてしまう。私は彼女の着替えを終えてから、新しいアイドルの迎え入れを検討し始めた。彼女の成長に関われないという弱味もあって、私はさっそく、アイドルのスカウトに出かけるのであった。
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