5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/17(土) 03:00:11.29 ID:NZd4BHGyo
「ボールとってくれよーー!」
「キャー日村くーん!」
そのテニス部男子の後ろから、さらに黄色い声援。
ペコが右まゆを持ち上げてそちらをうかがうと、テニスコートの金網の外で、4人ほどで集まっている女子の一人が、その男子生徒にエールを送っているのだった。
二日に一回は、テニス部のコートにはあの手の女子軍団がたむろしており、外周を走る卓球部のメンツにもあの声援は届いてくる。
別にどこでも見られる光景ということではない、テニス部と、サッカー部だけである。あの手の部活は、この片瀬高校でもいわゆるモテ部の一角で、その部員の誰でもというわけでもないが、この二つの部活のレギュラーは基本的に彼女持ちなのである。
「へっ!」
ペコは軽く渋面を作り、しかしそのテニスボールを右足でムギュっと踏みつけた。
「?」
そのペコの反応に遠目に手を振っていた男子テニス部員が手をとめた。
「へへ、あらよーっと」
ペコはそういいながら、右足でテニスボールを踏みつける右足に力を入れてバックスピンをかけるとテニスボールを右足の甲へとのっけ、さらに上に蹴り上げた。
ポーンポーンポーン
リズミカルに右足から跳ね上がったテニスボールがペコの右肩、おでこ、かかとへとリフティングされ、
「ほれーい!」
とペコが滞空するテニスボールを強くけると、吹っ飛ばされたテニスボールが、寸分の違いもなくテニス部員の上げた左手に吸い込まれた。
「お、おお・・・」
と、遠くで驚く男子生徒をよそに、ニンマリ笑ったペコが無表情のスマイルを向いて
「どーっよ。俺ったら球技全般いけちゃうんだよねー」
「うん。知ってる」
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