過去ログ - まどか「わたしはインキュベーター
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/27(火) 23:15:19.15 ID:v3O96jUO0
公園
まどか「すぅ…はー…」
まどか(さやかちゃん、マミさん、ほむらちゃん、そしてわたしと分かりあえたみんな……わたしに、勇気を)
まどか『キュゥべえ、いる?少し良いかな?』
QB「(ピョコ)やぁ、まどか。契約する気になったのかい?」
まどか「それを決める前に少し、お話したいことがあって」
まどか「ねぇ、キュゥべえ」
まどか「キュゥべえには、友達、っている?」
QB「ボクたちインキュベーターには感情も無いし、それに個の概念が無い。全ての個体が同じ思考を共有してるからね。だから、感情と個の概念に由来する『友達』と言う概念もまた持ち合わせてはいない」
まどか「……マミさんは、キュゥべえのことを『大切なお友達』って言ってたよね?」
QB「そうだね。マミはボクのことをそう思っていた。けれど、それはただそれだけのことだ。まどか、『友達』と言う概念はボクたちにとって理解しづらいものだけど、『友達』とは一方の個体だけがそう認識しているだけでは『友達では無い』と言うことになるのかい?」
まどか「それが分からないのに、そんなズルい言い方はできるんだね」
QB「話はそれだけかい?」
まどか「ううん。さっきキュゥべえは牛さんや豚さん、鶏さんやお野菜のことをたとえに出したけど、それが理想的な共栄関係って言ったけど、彼らにとってはそれは本当に『理想的』なのかな?」
QB「食用生物にとっては理想的は関係では無い。そう言いたいのかい、まどか?」
まどか「違うよ。そう言うことじゃない。それはわたしが決めて良いことじゃないと思う。他の誰が決めて良いことでも無いと思う。だって牛さんや豚さん、鶏さんやお野菜にとって何が一番『理想的なこと』なのか、何が一番大切なことなのことなのかは、彼らにしか分からないと思うから。彼らの心の中にしかないと思うから」
QB「ボクにはそうは思えないけどね」
まどか「……ねぇ、キュゥべえ。わたしの大切なこと、聞いてくれる?」
QB「構わないよ」
まどか「大切なこと。大切なお友達。大切なお友達と分かりあえたって思った時は、それはお星様が1つ生まれるくらいに嬉しくて、大切なお友達とお別れすることになったら、それはお星様が1つ、消えてしまう位に悲しいことなんだ」
まどか「だって、お互い違うから。違うもの同士が通じ合うことはとても嬉しくて、そんな相手と離れ離れになることはとても悲しい」
まどか「キュゥべえも言ってたよね?みんなが別々に感情を持ちながら共存してるこの星を見つけて、驚いたって。それはそうだよ。だって、違う誰かと分かりあえるってことは簡単じゃ無い。こんなにも奇跡的なことなんだから」
まどか「そう言う想いが、わたしにとって、キュゥべえが宇宙の寿命を大切に思うのと同じか、それ以上に大切なこと」
QB「ボクには理解できな「そんなこと言わないで」
まどか「キュゥべえには、わたしの言ってること、すごく分かりづらいと思う。だって、わたしは感情で話してるけど、キュゥべえには感情が無いから。でも、すぐに『理解できない』なんて片付けないで。これは、わたしにとって宇宙の寿命と同じくらい大切なことなんだから」
QB「まどか、それは人間の言う『誇張』と言うものかい?」
まどか「ううん。大げさでも何でもない。わたしにとってはそれくらい大切なものなの。だから、キュゥべえには考えて欲しいの。分かってくれなんて言わない。共感して欲しいなんて言わない。ただ、それがわたしにとって何より大切なこと。だから、それと同じくらい、考えて、考えて、考え抜いて欲しいの。すぐに『わけが分からないよ』なんて切り捨てないで欲しい」
まどか「その上で、『わたしたちと契約すること』って言うのがどういうことなのか、希望から生まれる絶望を運んで、さいごには別れを呼ぶ契約をすることが、わたしたちにとってどれだけ『重い』のか、きちんと考えて欲しい」
まどか「感情は無くても、考えることはできるんでしょう?」
まどか「もし仮に契約するにしても、キュゥべえにそれをちゃんとしてもらわないと、わたしは契約なんてできない」
QB「……まどか。正直ボクは今、キミの言っていることが半分も理解できない」
QB「けれども、キミの言う通り『考える』ことはさせてもらうよ。それがキミが契約するために必要な前提条件だと言うのなら、条件を呑もう」
まどか「うん。……ありがとう」
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