過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/05/25(日) 03:09:23.80 ID:MIFZpw7S0
いつもだった。足が使い物にならないと分かった途端、皆一様に離れていき
手のひらを返したように邪険にする。
男「実は、この足は…」
受付?「ん?」
観念して、もう言ってしまおうと思った。
男「…義足なんで」
その瞬間、それまではズシリと重かったはずの作り物の足が、
急に、軽やかに跳ね上がった。
男「すぇええっ!?」
足首の部分も一人でに、まるで生きているかのように動き出して、
まるで健常者の足そのもののように見えた。少なくとも、事情を知らない他人にすれば。
受付?「なんでぇ、てっきりそっちの足が作りもんかと思ってたが、見間違いか…」
男「い、いやその…これは」
少なくとも、ここに入ってきたときは不具の歩きだっただろう。
ところがそれが今や、今になって急に
かつてのような右足の感覚が戻っている。
模造の足であるはずなのに
受付?「疑って悪かったなあ若えの、ええっと?仕事を探してるんだったなあ、おめえさん」
男「あ、う……は、はい」
混乱して、受け答えがまともに出来ず覚束ない。
相手の話した内容も彼はほとんど覚えることが出来なかった。
ただ確かなことは
受付?「じゃあ次の金曜から俺の船で出発だ、アテにしてるからな若えの」
その、実は船長だったという相手の言葉と
混乱する頭で、ようやくひねり出した自分の感謝の言葉、それだけだった。
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