過去ログ - エルフ「私の前に道はない 私の後ろに道は出来る」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2014/05/25(日) 23:42:48.81 ID:dgIn7kcP0
片やエルフの少女はというと、船を陰からこっそり見送ったあとで
家に戻ってゆったりと布団に横になった。
日が昇って朝になって身を起こしても、男の苦労もこともなげといった風に
気にするそぶりもなく、縁側で足を遊ばせながら買い置きのコオラを飲もうとしていた。
エルフ「……っと」
そうして、そこまでいって瓶の蓋が空いていないことにようやく気づく。
エルフ「…むぅ」
みれば、目の下にくまが出来ていて
ぼんやりしているようなのは、ただ考えに集中出来ていないだけだった。
エルフ「……んーー」
仕方ないので、立ち上がって栓抜きを探すことにした。
狭い部屋を歩き回っていると、今までに感じたことのない違和感まで生まれてきた。
エルフ「…ぐぬぬ、ぬ……?」
彼女の右足が、微妙にチクチクするような
それでいて少しだけ感覚が鈍るような気がした。
これはまた大事な知らせなのか、それとも
エルフ「………」
その言い知れぬ不安に、思わず自身の身を抱いた。
そうすることで、彼のその腕を感じることができる気がした。
目をつぶると、昼の船上で忙しなく動き回る水夫の姿が浮かんだ。
エルフ「………」
握りしめたコオラの瓶が、もうぬるくなっていた。
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