過去ログ - im@s大歌舞伎 歌舞伎十八番の内『勧進帳』(かんじんちょう)
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13:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:35:34.87 ID:MMyiGBSh0
律子「……勧進帳を持っているのなら、あなた達は本物の山伏みたいね」

響「なら、この関を通らせてもらうぞ」

律子「その前に、ちょっとだけ質問してもいいかしら?」
以下略



14:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:37:03.16 ID:MMyiGBSh0
律子「仏門で修行する僧達は宗派とかの違いで様々な姿をしてるわ。その中でも山伏は特に恐ろしげな姿をしてるけど、その姿で仏門修行をしていると言ってもいまいち説得力に欠けるのよね。その姿をする意味は何かあるの?」

響「ふふん!そんなの簡単さ!修験道の説く仏法とは不動明王の説く中で、慈悲をあらわす「胎蔵界」と智をあらわす「金剛界」の二つを重要なものとしているんだ!そして険しい山や難所を踏み開いて、世の中に害を与える奴らを退治して、民達が平和に暮らせるようにするため、あるいは毎日修行に励んで仏功を積んで、その功徳で悪霊や亡霊を成仏させたりするんだ!山伏がこんな姿をしている理由、それは人に害を与える鬼や魔物を倒すためなんだぞ!」

律子「なら袈裟、法衣を身にまとって、仏に仕える姿をしているのになんで頭に兜巾をかぶっているの?」
以下略



15:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:37:51.45 ID:MMyiGBSh0
律子「寺にいる僧は錫杖を持ってるけど、山伏は金剛杖を持っているわよね。その理由は?」

響「愚問すぎて答える気にもならないぞ…金剛杖は元々天竺の壇特山にいた阿羅々仙人が持っていた霊力のある杖で、胎蔵界、金剛界の功徳を内包しているんだ!で、その神聖な力を持つ杖を修験道の宗祖の役の小角って人が持って、道なき道を歩き回ったんだ。それから修験僧達はこの杖を使うようになったんだぞ!」

律子「仏門修行をしているのなら殺生を禁じられてるはずよね?それなのになんで腰に太刀を携えているのかしら?」
以下略



16:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:39:53.42 ID:MMyiGBSh0
律子「へえ…して山伏のいでたちは!」

響「即ちその身を、不動明王の尊形に象るなり!」

律子「額に戴く兜巾ないかに!」
以下略



17:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:41:51.05 ID:MMyiGBSh0
響「……九字の真言はそんな軽々しく語れるようなことじゃないけど、自分達が本物の山伏だという証拠に説明してやるぞ!九字の真言とは臨兵闘者皆陣列在前の九字。これを唱えて、その時に急々如律令と唱えれば、魔物を退散させることができるんだぞ!これだけ説明してまだ疑うって言うなら、いくらでも質問に答えるぞ!でも修験の道は広大、無限大で語りつくせるようなものじゃないんだ!諸仏諸菩薩、自分の言動に嘘偽りがないことをご覧くださいませ」


18:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:43:36.95 ID:MMyiGBSh0
律子「ここまで淀みなく答えるとは…本物の山伏みたいね…疑って悪かったわ。お詫びにこの布施物を持って行ってください」

響「ではありがたく貰って行くぞ!よし行くか皆!」

四人「わかりました」
以下略



19:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:45:17.62 ID:MMyiGBSh0
真「くそ!正体がばれたか!」

やよい「義経様を守らないと!」

春香「ばれたのなら、強行突破するしかない!」
以下略



20:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:46:11.70 ID:MMyiGBSh0
響「強力!なんでついてこないんだ!」

律子「私が呼び止めたのよ!」

響「なんでこんな奴を呼び止めたりしたんだ!」
以下略



21:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:47:36.41 ID:MMyiGBSh0
響「こ、この強力が判官殿に似てるだって……そんな高貴な人に間違われるなんて良い思い出になるだろうなこの強力風情が!お前のせいでこんな面倒事に巻き込まれたんだ!お前のせいで…お前のせいで…こいつめ!思い知らせてやる!」

真「べ、弁慶!?」

春香「義経様を金剛杖で、あんなに打つなんて…」
以下略



22:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:49:38.98 ID:MMyiGBSh0
響「そんなにこの強力が怪しいって言うのなら、荷物の布施物も一緒に預けてやる!好きなだけ取り調べると良い!それともここで、自分がこの強力を打ち殺してやろうか!」

律子「ま、待ちなさい!な、何もそこまでしなくても…」

響「それなら、なんでこの強力を疑ったりしたんだ?」
以下略



23:ランバージャック[saga]
2014/05/20(火) 22:51:07.36 ID:MMyiGBSh0
律子「……判官殿でもない人を疑ったのは悪かったわ…私が間違っていたみたいね……早くその強力を連れて行きなさい」

響「あなたがそこまで言うのなら…今回は許してやる…強力、今後は気をつけるんだぞ…」

律子「………」
以下略



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