過去ログ - ミリマスSS「私の描きたい世界」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:52:10.69 ID:R8kowSVNo
「どうしたらいいかわからなくて、それで周りに合わせることにしたんです。当り前の世界を当り前に表現しようって」
それからは人が寄ってくるようになりました。当然です。技術で同い年の子に負けるとは思いません。私は尊敬の目で見られるようになりました。
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2014/05/21(水) 00:53:30.77 ID:R8kowSVNo
「……君はどうしたいのかね?」
「私は……絵を描き続けますよ。これ以外にやりたいこともありませんし」
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2014/05/21(水) 00:57:19.75 ID:R8kowSVNo
スケッチブックと向き合い集中します。何を描くか、公園でいいや。目の前に広がる景色、いつも傍にいた鳩はいません。
描き始める。音が消える。右手は止まらずに動き続ける。時々顔を上げる。けれど、景色が変わることはありません。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:58:52.66 ID:R8kowSVNo
「良ければもう一つお願いしてもいいかな?」
「……なんですか? 私には……もう……」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:03:23.52 ID:R8kowSVNo
鳩の人形を受け取る。小さくて白い、普通の鳩だ。絵の上に置く。それは絵の中にまったく溶け込んでいません。
おかしな絵です。本当におかしい。アンバランスなんてもんじゃない。無機質な私の絵に無遠慮に割り込む鳩に、笑いが止まらない。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:05:06.34 ID:R8kowSVNo
「……こんなんじゃダメですね。もっとカラフルな鳩ならよかったです」
「そうかい。それはすまなかった」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:09:47.82 ID:R8kowSVNo
鳩は白です。なら周りがカラフルじゃないと鳩が寂しいですよね。
そうだ。カラフルにするなら、ここにあるものじゃ味気ない。遊具は鳩の遊び場に、ベンチは鳩の止まり木に、水飲み場は噴水にしちゃいましょう。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:10:58.41 ID:R8kowSVNo
「どう……ですか……?」
恐る恐るおじさんを見る。おじさんは頷く。その目は私と同じぐらいキラキラと輝いていた。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:12:15.83 ID:R8kowSVNo
「なに、君を認めてくれる人はきっと大勢現れる。その中に特別な人が出来たら、その人に渡せばいい」
その代わり、渡したいものがあるとおじさんは言いました。おじさんが懐から取り出したのは、一枚の名刺でした。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:13:05.38 ID:R8kowSVNo
「君の芸術は立派な個性だ。それを潰してしまうなんてとんでもない。今はっきりとそう思った」
アイドル、それになれば私が私らしく生きていてもいいと言ってくれました。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:15:03.86 ID:R8kowSVNo
「765プロは、いつでも君を歓迎する。連絡、待っているよ」
高木さんが手を差し出す。それが握手のためだと気付いて、慌てて握手する。
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