16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:08:38.65 ID:Le++7Cc10
  
 『不思議な?』 
  
 『ええ、例えばこれ。アイドルの魅力を数倍に引き上げる化粧水。もちろん、効果がなければお代は――』 
  
 「……何してんだ、あんた」 
  
 「あら?」 
  
 「…………」 
  
 そこには果たして予想通り、不吉なシルエットの男がいたのであった。 
  
 貝木泥舟は僕等を見るなり表情を不機嫌そうに歪め、濁った眼でこちらを睨む。 
  
 「久し振り、貝木のおじさん」 
  
 「……何をしている」 
  
 「そりゃこっちの台詞だ――詐欺師はもう店仕舞いか?」 
  
 「ああ、詐欺師は儲からないからな。真面目にサラリーマンをやっている。歩合制で辛いんだ、助けると思って何か買ってくれ」 
  
 「嘘つけ」 
  
 「ああ嘘だ。何故貴様らがここにいる」 
  
 「プロデューサーさんのお知り合いですか?」 
  
 「こいつは詐欺師ですよ」 
  
 「プロデューサー……?」 
  
 まさかこんな場所で出会うとは夢にも思わなかったが、来た所に僕がいてまだ良かった。 
 未然にこいつの詐欺を防げた、と思おう。 
 となれば、とっととお帰り願うしかない。 
  
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