27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:16:54.31 ID:Le++7Cc10
「俺は何故今まで詐欺なんぞを……これからは心を入れ替えて真っ当に働こう」
なんだ。
なんなんだ。
何を言っているんだこいつは。
「戦場ヶ原に蜂の妹……間接的には不死鳥の妹と蛇神もか。俺の出来る範囲で誠意と行動を以て詫びを入れよう」
「か、貝木の口から誠意なんて言葉を聞く日が来るとは……」
「世界一似合わないね」
千川さんもそうだが、顔つきすら変わっている。
人は、齢を重ねるに連れて瞳の光を失って行く。
それは現実を知っていくという過程で致し方ないことだろう。現実を直視しなければ現代社会で生きて行くことは困難だ。
だが今の貝木と千川さんの瞳はキラキラと輝いているというか、一分の穢れもない、まるで龍崎や市原に見られる小学生組のような綺麗な目だ。
言うまでもなく死ぬほど似合っていない。
と言うか、下手なホラーよりも百倍は怖い。
「余接、貴様にも色々と世話をかけた」
「ううん、いいんだよ貝木のおじさん。ハーゲンダッツ一年分で」
「何気に高い!」
「わかった、買ってやろう」
凄まじく爽やかな、それでいて大器を思わせる微笑みを湛える貝木。
外見が外見だけに、セバスチャンなんてあだ名がつきそうな、老紳士も驚愕のダンディっぷりだ。
ああ、こいつも歩む道さえ違っていたらこんな風になっていた可能性もあったのかな。
どうなのかな。
どうでもいいや。
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