過去ログ - 阿良々木暦「ののウィーズル」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/21(水) 22:52:53.55 ID:Le++7Cc10

「森久保がアイドルをやめたいと言うのなら、僕も止めはしない。すぐに上に直訴しよう。本気で嫌がるお前に無理やりやらせても、何の意味もないからな」

しかし、何故うちのアイドルたちは僕の机の下を根城にするのだろうか……。
朝方いた星や森久保に加え、遊佐や双葉が昼寝に使ったり、この間なんて浜口がからくりを使った抜け道を勝手に作っていた。

「けど……僕は森久保がアイドルとして大成できる器だと信じている。いつも嫌がっているけれど、少しは信用してくれていると思っている」

勝手な僕の思い込みかも知れないけれど、アイドルを微塵もやる気のない者が成り上がっていける程、アイドル業界も甘くはない。
もし森久保が本気を出してアイドル活動に本腰を入れたら、と思うと楽しみで仕方ない。

「だから、もう少しだけ頑張ってみないか? 僕も全力で力を貸すからさ。森久保乃々という人間を、隠れる必要のないくらい、有名人にしてやろうぜ」

と、

「…………はぃ」

膝を抱え、体育座りをしている森久保が姿を現した。

その表情はやはり視線が合わず、口をへの字に曲げたままの、いつもの森久保だったけれども。

「い、今の話……嘘じゃ、ないですよね……?」

「当たり前だ。僕が嘘をつく訳ないだろう」

それ自体が嘘だが、そんなことは百も承知だ。

森久保は疑いの眼差しを僕に向けつつ、溜息をひとつ吐いた後、

「……よ、よろしくお願いします……」

目尻に涙は浮かんでいたものの、僕と視線を合わせ、出会ってから初めての笑顔を、見せてくれたのだった。



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