124: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/08/03(日) 15:55:09.71 ID:QXD0iIGSo
#5−3#
ダニエルがその疑問を口にした一瞬だけ、アリシアが驚きに硬直した。
アリシア「にゃっ。にゃははは……そこから話す必要があったかにゃ……」
ダニエル「ん。どうしたんだ?」
アリシア「……研究室に、ゲームの世界に入るための機械があるから。ついてきて」
……アリシアが席を立つ。
少女は軍曹は、あの世界は……。
……何が現実なのかも分からないまま、いくつもの世界を旅する彼は――。
ダニエル「待ってくれ……アリシア、お前は、本物なのか?」
アリシア「えっ」
ダニエル「……もう意味が分からない、頭が痛い……何が真実なんだ? 僕の現実はどこにある……?」
頭で処理できる限界を超えた、急展開。
白衣にぽつぽつと。
知らないうちに涙が零れ落ちていたらしい。
「大丈夫」
アリシアはダニエルを抱き締めると、耳元で、優しくそう言った。
緊張の糸がようやく切れたのだろうか。
ダニエルは、その場に崩れ落ちて、嗚咽を漏らすことしかできなかった。
彼が落ち着くまで背中をさすって慰めの言葉をかけ続けるアリシアの瞳は、どこか悲しげだった。
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ダニエル「あー……その……スマンかった」
アリシア「この体、貴方の所有物ですにゃ。貴方様に忠誠を誓いますにゃ」
ダニエル「またまた御冗談を。にしても、意外に優しいんだな」
アリシア「…………」
「『意外に』は余計にゃ」
「やにゃにゃにゃにゃ、まあ、とにかく、タクシーを待たせてるから早くするにゃよ」
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