31: ◆2BIJ5nUpEk[saga]
2014/05/26(月) 00:17:08.43 ID:0X3iqC73O
ばちん!! と。
弾かれるように、垣根帝督の身体が跳ねた。
たかだか人間相手にやりすぎた、と思った時には、もう遅い。
その熱量に爛れた垣根帝督の腹部を中心に、それは溶けるように分解されて行く。
まるで、虫食いされたクローバーのようだった。
トールに激しい後悔が襲った。
ロクな経験値にならないとわかっていながら、安い挑発に乗り、下手な喧嘩を買ってしまった。
そう思った直後だった。
度重なる『戦争』を個人で体現してきた雷神は、その戦闘勘から、自身に対する敵意を、殺意を感じ取った。
複数から。
360度全方位から。
同時多発的に。
トールは金縛りにあったように動けなかった。
ただ一つ、名前もわからぬ感情に打ち勝った眼球を、ひたすらに巡らせた。
そして、それを見た。
「な、に……?」
垣根帝督が。
複数、いる。
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