32: ◆2BIJ5nUpEk[sage]
2014/05/26(月) 00:25:29.96 ID:0X3iqC73O
「よぉ、雷神トール」
完成された絵画に原色の白をぶちまけたような怪物は、漆黒が広がる口を開いて言った。
次々と。
目測でも、十以上の垣根帝督が、トールの周囲に漂っていた。
トールはスプラッター映画やお化け屋敷が苦手だ。
そんな彼からしてみれば、このオカルトは、自分の冷静な部分を削ぎ落とすのに、最悪の組み合わせだった。
口々に、垣根帝督は言う。
「学園都市製の超能力じゃないっつーのは驚きだ」
「まあ、そっちのほうが組織のためにはなるかもしれねえが」
「そもそも、わかっちゃいねえ」
「俺の心臓を貫いた程度で勝ったと思ったならそれは大間違いだ」
「なんなんだ、テメェは……!?」
トールは絶叫したい気持ちを抑え、割りかし冷静に呟く。
その質問には答えず、トールの目の前に現れたたった一人の色付いた垣根帝督は、唇が触れそうなほどの至近距離に近づき、言った。
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