過去ログ - 世界から愛されたあの子の話
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11: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:13:39.27 ID:2jYFvZQ+0
あの子は誰かに脱がされたのか、生まれたままの姿で立っていました。
頬は腫れ上がり、美しかった髪は無残に切られ、過去の美しさをとどめていませんでした。
指先は紫色に変色し、太ももからは血が流れていました。
お尻や背中には無数に蚯蚓腫れが走り、足にも青あざがいくつもありました。

以下略



12: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:15:00.60 ID:2jYFvZQ+0
あの子は死んでしまいました。しかし、彼女はまったく悲しくありませんでした。
どうやって屋上までたどりついたのかは分かりませんが、あの子はもうこの世にはいません。

名実共に、彼女は世界で最も美しい女性になったのです。
彼女の気分は爽快でした。
以下略



13: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:15:42.41 ID:2jYFvZQ+0

子供に出会いました。子供はわんわんと泣いていました。泣くというより悲鳴のように聞こえました。
彼女は何故泣いているのか話しかけましたが、子供は彼女に見向きもせず泣くばかりでした。


以下略



14: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:16:28.33 ID:2jYFvZQ+0
あの子のお母さんに出会いました。あの子のお母さんはあの子の部屋で首を吊って、ぶらぶらと揺れていました。
足元には、震えてミミズのように這った字で遺書が残されていました。



以下略



15: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:17:16.80 ID:2jYFvZQ+0
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』『ごめんなさい』
以下略



16: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:18:48.26 ID:2jYFvZQ+0
「どういうこと、どういうことよ!!!」

彼女は座り込んで叫びました。誰も彼女のことを見ていませんでした。彼女以外誰一人として、自らの命を絶たなかったものはいませんでした。
ぽつぽつと雨が降り出しました。雨は血を吸って赤く染まっていきました。

以下略



17: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:20:54.32 ID:2jYFvZQ+0
あの子は世界中から愛されていました。
あの子は世界中から嫌われるようになりました。
そしてあの子は死にました。
あの子が死んで呪いは解け、世界は思い出したのです。

以下略



18: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:22:36.48 ID:2jYFvZQ+0
「結局お前は、誰にも見られていなかったんだな」

影が忍び寄ります。

「世界はお前じゃなく、あの子を選んだ」
以下略



19: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:24:30.53 ID:2jYFvZQ+0
小さい子向けの絵本を書こうと思って書いたのですが、
不評でしたのでボツにしていたものを見つけたため、せっかくなので投稿してみました。

ありがとうございました。


20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/27(火) 17:32:38.37 ID:JdI5/J/Jo
面白いと思ったんだけど不評だったのか
おつおつ


21: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:34:50.84 ID:2jYFvZQ+0
>>20
書いた後で、小さい子向けという趣旨を思い出しまして、
流石に小さい子にはえぐい、という評価でした


以下略



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