過去ログ - 実験動物は生を望む夢を見るか? とあるミサカの追憶夢想
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:10:14.84 ID:7gESCjNj0

布束さんに感情をインストールされた後の、19090号のSSです。

そこまで長くならない予定です。

独自解釈、キャラ崩壊に加え、19090号の製造日等に度々矛盾があると思いますがご勘弁を。

とある作品、特にミサカと一方さんの純粋なファンの方は、そっ閉じお願いします。





SSWiki : ss.vip2ch.com



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/27(火) 22:12:57.35 ID:7gESCjNj0


――最近、よく夢を見るのです。

――夢、ですか? 
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:14:26.65 ID:7gESCjNj0


19090号「――ハッ!」

「……調整は終わりよ、また明日、同じ時間にここに来て」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:16:39.58 ID:7gESCjNj0

――絶対能力進化【レベル6シフト】計画。

学園都市の第一位である一方通行を、『最強』から『無敵』の能力者へと『進化』させる神に挑む実験。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:17:48.13 ID:7gESCjNj0

ミサカたちは、ただの動き、喋る人形なのです。
 
そして『彼』もまたそのことを理解しているからこそ、息をするようにミサカをただの肉に変えること出来るのでしょう。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:18:55.42 ID:7gESCjNj0

地獄、と形容するのはミサカだけなのでしょうか。

何故、他の個体はアレを平然と受け取ることが出来るのでしょうか。
 
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:20:02.72 ID:7gESCjNj0

痛みを味わうこと。

勝てない相手と戦うこと。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:21:05.66 ID:7gESCjNj0


分かっています。ミサカは殺される為に作られた実験動物であり、道具です。生物ですらないのかもしれません。

その言葉は決して口に出せるものでは無く、そして許されることでもない。死ぬことは必然であり、そこに恐怖を感じるミサカがおかしいのでしょう。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:23:13.26 ID:7gESCjNj0

――吐き気を催します。身体が震えます。心臓が激しい鼓動を止めてくれません。

初めて味わう死。二度目、三度目、幾千と……繰り返すのは血に赤く染まる暗い視界。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:24:05.27 ID:7gESCjNj0

何故ミサカはこのような感情を宿してしまったのか。それを知るまでには僅かな時間が掛かりましたが――しかしミサカにとって、これほど不幸なことは無かったでしょう。

死を恐怖する事実を、誰にも知られてはなりませんでした。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:25:31.01 ID:7gESCjNj0

死を恐れ――しかし決して抗えない『実験』の日々。

一人、また一人と、ミサカは肉の塊となっていく。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:26:49.50 ID:7gESCjNj0

一日の中で数回ある、死したミサカの遺体処理。もう二度と光を宿さない彼女たちの瞳を見た時、ああ、自分も近いうちにこうなるのだと理解した時は、その昏い瞳を写したかのような、深い奈落の底に突き落とされた気分でした。

死を経験するたびに、そして動かなくなった姉たちを処理しているうちに、ミサカの中では『恐怖』と言う感情を母体に、ふつふつと様々な感情が浮かび上がってきます。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:27:24.44 ID:7gESCjNj0

しかし全ては無意味です、無駄です、不毛であり、無益です。そこに答えを求める価値など存在しません。

どんなに嘆こうが、叫ぼうが、太陽が昇れば月が沈むように、また月が昇れば太陽が沈むように、それは変えようの無い運命なのです。
 
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:30:00.36 ID:7gESCjNj0


何故ですか。

どうしてですか。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:32:09.49 ID:7gESCjNj0


それはミサカにとって――いえ、妹達【シスターズ】にとって、それだけは特別な記憶であったとミサカは信じています。

夏の日差しを受け輝き、仄かな風と共にたなびく、赤みがかった、糸のように細く滑らかな茶髪。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:33:36.57 ID:7gESCjNj0

何故でしょう、あなたの存在を胸に浮かべていただけで、微かに胸の奥がくすぐったくなっていたこの身体に。

今、あなたと言葉を交わすたびに、頬は緩み、あなたの笑い声を聞くだけで、胸の奥には温かな光が差し込んでくる。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:34:16.99 ID:7gESCjNj0

『彼女』もそう思っていたのでょう。


少女趣味を通り越し、幼児趣味と言えるような、カエルのバッジ。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:35:23.84 ID:7gESCjNj0

月が昇れば太陽が沈むように――実験は始まります。

そして、『彼女』はそれを受け入れます。泣くこともせず、叫ぶこともせず。ただ『お姉様』に別れを告げて。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:36:25.52 ID:7gESCjNj0

けれど――『彼女』は違いました。

足を千切られ、身体を痛めつけられ、すでに『死』への運命は誰の目から見ても抗えないものであると理解出来た筈の、『彼女』の、最後の行動。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:37:48.17 ID:7gESCjNj0

お姉様のくれたバッジに手が届いた時、そしてそれを胸に抱きしめ瞳を瞑ったあの瞬間――彼女の心にあったのは限りなく満たされた気持ちでした。

その気持ちが、紛れも無くお姉様への愛だと理解した時、そして、次の瞬間、『彼女』の身体が直視出来ない程に潰され――『死んだ』時、ミサカの胸には巨大な穴が空いたようでした。

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/27(火) 22:38:55.17 ID:7gESCjNj0


『死』とはこれほどまでに悲しく、酷い者なのだと。

ただの一度も言葉を交えたことの無い、20000居る妹達の中での一人と一人。しかしその瞬間、ミサカにとって、それは最愛の親友を失くしたかのように、胸を抉られる想いだったのです。
以下略



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