過去ログ - 実験動物は生を望む夢を見るか? とあるミサカの追憶夢想
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81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:06:10.72 ID:UKWy2o690

ほんの一瞬、ミサカのその言葉に、彼が酷く刺された表情をしたのが見えました。けれど、一瞬でした。

一方通行「……言っただろ、もう後戻りは出来ねェってなァ。……俺も、お前も」

以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:07:14.25 ID:UKWy2o690

死にたくない。

死にたくない。

以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:07:58.27 ID:UKWy2o690


ミサカは――生きたい……。

19090号「ミサカは……まだ……」
以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:09:15.41 ID:UKWy2o690




13577号「……どうしたのですか、とミサカは夜中に大声を上げながら目を覚ました19090号に質問します」
以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:10:06.61 ID:UKWy2o690

13577号「……夢、ですか?」

19090号「……忘れて下さい、とミサカは再びベッドに――……ッ!」

以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:10:55.27 ID:UKWy2o690

19090号「うっ……く。う……う……うああああっ!」

13577号「な、何故ミサカを急に泣きながらベッドに押し倒したのでしょうかとミサカは予想外の展開に心の準備が――」

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87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:12:05.11 ID:UKWy2o690

それはあり得たかもしれない未来でした。もしあの時、あの少年が一方通行に敗北してしまっていたら、実験は続き、もしかしたら、今日がミサカの命日であったかもしれないのです。
今、こうして言葉を交わしている13577号も、とっくに死んでいたかもしれません。

13577号「それは夢です。現実では、お姉様も、あの少年も元気に生きているではありませんか。……少々危なっかしい所はありますが。何を恐れることがあるのですか」
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88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:12:43.39 ID:UKWy2o690

夢の中のミサカは、死にたくないと、ただそれだけを願っていました。その時、心の中では、お姉様のことも、少年のことも、妹達のことも、何一つ考えず、ミサカは、自分のエゴだけで生きたいと願っていたのです。

19090号「ミサカの命は……10031の亡骸の上にあると言うのに……その時のミサカは、そんなことを、欠片も思ってなかったのです」

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2014/06/01(日) 13:13:43.33 ID:UKWy2o690

そう言ったミサカの身体を、13577号が抱きしめました。

13577号「確かに……ミサカたちは10031人の妹達の亡骸の上にある、歪な命の形です。……ですが」

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90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:14:24.72 ID:UKWy2o690

13577号「19090号、あなたは他のミサカよりも、頭一つ、感情が多彩な個体です。時にはそれが、他のミサカには感じること無い、悪夢や苦しみを生み出すことがあるでしょう。ですが、それは誇りこそすれ、卑下するものではありません。……だから」

そしてにこりと笑い、彼女はミサカの耳にそっと囁きました。

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91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/01(日) 13:15:23.66 ID:UKWy2o690

13577号「……苦しむこともあるでしょう、悲しむこともあるでしょう。けれど、それは人ならば当然の感情なのです。だから、あなたは誇っていい。それを感じ、涙を流せる、あなたの心を」

自分の心が嫌いでした。他の個体と異なり、死を恐怖し、生に執着していた、壊れた自分が。

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