過去ログ - 絵里「希と付き合うことになったけど、やだもうお家かえる」
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[saga]
2014/05/29(木) 17:44:54.51 ID:d9oKBQfV0
それから数週間が経った。
その日、早めに部室に来てもらったにこに、私はとある相談をしていた。
「へえ、それで」
目の前の小学生のような高校生―――にこがあぐらをかいて肩肘を付いて言った。
「そう、興味なさそうに言われるとさすがに傷つくのだけれど……」
「知んないわよ! どうして、にこがお惚気聞かされなきゃいけないのよ」
にこが机を3度叩く。
「だ、だって他に言える人がいないのよ」
「んなわけないでしょ……あんたらが付き合ってんのは周知よ、とっくの昔に。むしろ、なんで付き合ってなかったの今まで? なくらいよ」
「タイミングとか、色々あったの……って、相談したいことはそういうことではなくて」
「まだ、あんのッ」
にこはあからさまに時計を見る。分かっているもうすぐ練習に行かなければならない。
「それが……希、キス以上させてくれないの」
「へ、へー……そうなんだ。希もまだまだお子ちゃまね」
「うーん、なんだろ。恥ずかしがってるわけではないし……」
「あんたのキスが下手っぴなんじゃないの」
「……そうなのかしら。ちょっと、にこ頬っぺたを」
「は?! 貸さないわよ!? 何言ってんの、にこは真姫ちゃん専用なんだから!」
ガタ――ッ
外で物音がした。私とにこは喋るのを止め、顔を見合わせた。音を立てずに扉に近づき、互いに無表情で扉を開ける。
「……真姫ちゃん」
「花陽、凛……」
一年トリオは誤魔化すように笑っていた。
「部長、躾がなってないわね」
「え、にこのせいなの?」
私は縮こまっている三人を見下ろした。一年生達は、小さく悲鳴を上げていた。
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