過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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750:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/03/19(木) 17:32:41.58 ID:Q9EWgt+u0


由比ヶ浜は、そうちょっとぶっきらぼうに言い張ると、

教科書などを鞄にしまう作業を再開させる。



八幡「複雑な事ないだろ。勉強なんて結局は自分がやらないといけない事だからな。

   ただ、ちょっと俺の方にも複雑な気持ちがあることにはあるけど」



俺は、ノートを鞄の中にしまおうとする手を止めると、由比ヶ浜を悲しそうな目で見つめる。

俺の言葉が途絶えた事に気がついた由比ヶ浜は、俺の方に視線をやり、

当然のごとく俺の視線にも気がつく。

目がかちあうとまではいかないが、視線が軽く絡まると、俺はそっと視線を外して

手元にある鞄を適当な目標物として見つめた。



結衣「え? ・・・やっぱりヒッキーも悲しいと思う事があるの?」



由比ヶ浜は、俺の瞳の色を見て呟く。

そして、照れた顔を隠そうとするふりをして、俺を覗き込んできた。

ここで強調して言っておきたい事は、あくまでふりであって、

由比ヶ浜はやや赤く染まった顔を本気で隠そうとはしていないってことだ。

こういう女の武器を露骨に使おうとする奴ではなかったが、そうであっても、

経験があろうとなかろうと、女の色香を自然と発揮してしまうところが

由比ヶ浜が大人になっていっているんだって実感してしまう。



八幡「そりゃあ、悲しいに決まってるだろ」



これは、俺の本心。嘘偽りもなく、心の底から思っている事だ。

雪乃にだって、正直に答えることができるって確信している。



結衣「ほんとにっ?!」



由比ヶ浜の声には、嬉しさが溢れ出ていた。

実際その表情を見れば、誰だってその心が表すものを理解するはずだ。

由比ヶ浜の声に反応して、その声も持ち主を見やった男子生徒は、ことごとく由比ヶ浜に

対してだらしない視線を送った後に、俺に敵意を向けてから通り過ぎていく。

女子生徒は、温かい目で由比ヶ浜を愛でた後に、これまた俺に厳しい視線を浴びせてから

通り過ぎて行った。

どちらにせよ、俺に対してはあまり宜しくない反応だが、これも毎回の事などに

とうに慣れきった予定調和といえよう。



八幡「当たり前だろ」



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