過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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777:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/04/02(木) 17:32:10.32 ID:RpzwNEHw0


紅茶を飲み、ケーキが食べ終わるまで俺達の会話は弾んでいたと思う。

ケーキも想像通り美味しかったし、

なによりも雪乃が自分以上の腕前だと紅茶を誉めた事に俺は驚きを隠せないでいた。

これならばきっと陽乃さんも気にいるだろう。

そうなると、この喫茶店で待ち合わせという事も今後増えるのだろうかと

お財布事情を考えなければ素晴らしすぎる未来に思いをはせる。

雪乃や陽乃さんは、財布の中身なんか気にしないで好きな物を注文するんだろう。

俺はついこの間も馬鹿親父に申請した小遣いアップ申請を即時却下されたばかりなのに。

まあいいさ。雪乃も陽乃さんも、その辺の俺の懐具合はわかっているから、

無理に俺を誘ったりはするまい。

いや、俺だけ水で、二人だけ紅茶とケーキってことはあり得ないか?

よくて俺だけ紅茶だけとか。

まあ昴も未来の俺の同じように紅茶だけのようであった。

昴はこの中でただ一人ケーキを注文していないが、

紅茶だけで十分満足している様子である。

さすが普段から俺の相手ができる昴とその姉というべきか。

夕さんも話をする端々に相手を思いやる繊細な心づかいが伺えた。

雪乃もそれを察知してか、柔らかい頬笑みを浮かべながら今も夕さんと会話を楽しんでいる。

だが、雪乃がティーポットに残っていた紅茶をカップに注ぎ終わった時、

それは突然訪れた。

今までほんわかいっぱいの雰囲気を振りまいていた夕さんが、

俺に初めて声をかけてきたとき以上に緊張した面持ちで

俺と雪乃の前で姿勢を正して語り始めようとしていた。

俺と雪乃も、目の前から発する重たい空気を感じとる。

ただ事ではないプレっっシャーに、夕さんと同じように姿勢を正し、

これから語り始めるだろう夕さんの言葉を聞き洩らすまいと

身構えるように耳を傾ける。

そして昴は、これから何を語るのかに気がついたようで、

やや青ざめた顔で夕さんを見つめていた。



昴「姉さんっ」



重い沈黙をやぶったのは昴だった。

ここまで昴が取り乱しているところは見たことがなかった。

この事から、これから夕さんが話す話題の中心は

昴の事だって推測するのはたやすかった。

夕さんは手元にあったケーキ皿とティーカップを少し横に寄せてから、

再び俺達に視線を向ける。

俺達は、昴には申し訳ないが夕さんを止める事は出来ない。

それだけの意思がその瞳には込められていた。

昴も夕さんの意思が固いとわかっているのか、これ以上の抵抗はよしたようだった。




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