過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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844:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/07(木) 17:29:36.23 ID:K1/j9s740

第48章 




八幡「ということは、マッカンが大丈夫だったのならば、弁当も大丈夫かも

   しれないと考えたわけですか。

   俺からすればかいかぶりすぎだって思えてしまう事態なんですけどね」


俺が確認を込めて夕さんに問いかけると、昴と夕さんはやや興奮気味に反論してくる。


昴「そんなことはないよ。あの時は無意識のうちに飲んでしまったんだから。

  飲んだ事に気がついたのは、家に帰って姉さんにコーヒーの事を話した時なんだ。

  その時までは自分がしでかしたことにさえ気がつかなかったんだから、

  そういう意味では僕はリラックスできていたって思えるんだ」

夕「本当ですよ。昴がそんな悲しい嘘をつくはずはないってわかっていましたけど、

  なかなか昴の言っている事が信じられなかったほどなんですよ」


 前のめり気味に話す二人を見ていると、その喜びは真実であり、

本当に長く険しい道のりだったのだろうと推測できる。

パニック障害なんてネットでならばよく見る言葉であり、

ありふれた症状にすぎないが、当事者を目の前にしてしまうと

自分の浅はかな認識が悲しくなってしまう。

日々のニュースの中で交通事故などもありふれた日常ではある。

また、台風などの天災も身近な存在ではあるが、どうしても活字になっていたり、

TV画面の向こう側の情報として知覚してしまうと、

自分とは関係ない世界の出来事にすり替わってしまう。

実際はいつ自分に降りかかってもおかしくない出来事であり、

極論を言ってしまえば、戦争であってもいつ自分が巻き込まれてしまっても

おかしくはない事態ではある。

それなのに俺はいつも隣にいる弥生昴の日常にさえ気がつかないでいた。

目の前まで、あと数センチまで迫ってきていた日常であるのに、

俺は一年以上も無関心に過ごしてしまい、そのことがどうしようもなく歯がゆく思えた。


八幡「どこまで効果があるかなんてわかりませんけど、

   俺に出来る事なら遠慮せずに言って下さい」

夕「ありがとうございます」

昴「すまない、比企谷」

八幡「気にする事はない。俺ができる事を出来る範囲でやるだけだからな。

   だから、そんなのは俺の日常生活の範囲内だし、

   その影響下に人が好き好んで身を置いたとして、

   そこで得られる利益があったとしても俺はとくに何もやっていないといえる。

   つまりは、その、俺がもし利益を生み出しているんなら、

   それを享受してくれるんなら俺も嬉しい、かもしれない。

   その代わり、俺は昴の事を気の毒だなんて思わないからな。

   腫れものに触るようなことなんてしないから、その辺だけは覚悟しておけよ」




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