過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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871:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/21(木) 17:31:04.18 ID:bamkGDGV0

第50章



八幡「いえ、こちらこそ失礼な態度を取ってしまい済みませんでした」

橘「陽乃君の様子からして何かしら仕掛けてきた事はわかってはいたんだけど、

  僕が途中で横槍を入れると後で僕の方に甚大な被害がでてしまうんでね。

  すまないけどちょっとばかし静観させてもらったよ」

八幡「そんなことは・・・・・・」


 その理由を言われては、俺の方も自動的に納得せざるを得ない。いまだに笑いを

収めうようとはしない陽乃さんに睨まれる事だけはけっしてしたくはないものだ。


橘「でも、雪乃君はすぐに気がついたみたいだけどね」

雪乃「えぇ、姉がこの部屋に入るときに「じん」と言っていましたので」

橘「ああ、なるほどね」

雪乃「それにドアのプレートにも「橘仁」と記載されていましたから、それが決め手でした」

橘「さすが陽乃君の妹さんってところかな」


雪乃は姉と比べられてやや複雑そうに眉をひそめる。ただそれも一瞬の事で、すぐに朗らかな

笑みを向けているところからすると、以前ほどは陽乃さんを意識してはいないようではある。


橘「僕の方こそ講義の時と同じ格好をしていれば陽乃君の策略にはまらないで済んだと

  思うと、ほんと悪い事をしたね。せめてジャケットくらいは着ておくべきだったかな」


橘教授は後ろにかかっている濃紺のスーツの上着を、後ろを振り返らないで手のひらだけを

裏返してジャケットを指し示した。そこにはポールハンガーにかけられているジャケットと

真っ白なYシャツがつるされていた。しかし、仮にジャケットとYシャツを着ていたとしても

今と同じ状況になっていたのではないかと思ってしまう。黒ぶち眼鏡までかけたフル装備で

あっても疑わしいところだ。この軽薄そうな役者崩れのおっさんが、

どうしてあの橘教授と重なるっていうんだ。


八幡「ああ、なるほど」


 どこがなるほどか俺自身でもわからない。雪乃なんて俺同様に俺の返事を

まったく信頼していない目をしている。それでも俺の気持ちと同じらしく、

苦笑いを我慢している為に口元がゆがんでいた。


陽乃「そういう反応になるわよねぇ。だって仁の今の姿はアンバランスすぎるもの。

   スラックスにそのTシャツって、男子高校生かって思っちゃうわよね。まあ、

   Tシャツのセンスが破壊的な所と幾分顔が老け過ぎているのが難点って感じかな」


 ようやく笑いから解放された陽乃さんが笑いを引きずりながらも俺達の間に入る。

 教授の事を知ってるんだったら会う前に教えてくれればいいのに。こうなるのが

わかっているからこそ黙っていたんだろうけど、緊張して損したというよりは、

もっと緊張してもいいから騙すのだけはよしてくださいと土下座したいくらいだ。


橘「そうかな? 僕はそれほど違和感ないんだけど」

陽乃「それは着ている本人だからよ。見ている方からすれば違和感半端ないわ」



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