過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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968:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/07/30(木) 17:17:00.67 ID:QZCHccKj0
八幡「だれだろうな? でも、大事なところでは言い訳しないって男らしいんじゃないか?」

雪乃「どうかしらね? その馬鹿な男は、大事な事ほどまわりが勝手に判断するから、
   言い訳なんて意味がないと言っていたと思うわよ」

 よく覚えていらっしゃる事で。俺でさえ覚えていない事がほとんどなのに、
こいつったら俺の言葉を全部覚えているんじゃないかって疑っちゃうぞ。

雪乃「でも姉さんは、私が生まれる前から雪ノ下家の長女であり後継者であったのよ。
   だから、姉さんの心情にどう変化があろうと姉さんは姉さんなのよ。いつも何を
   考えているかわからない奔放な性格を演じていようと、お母さんが求める雪ノ下陽乃
   を演じていようと、根本的には姉さんそのものだと思うわ。それが演技であっても、
   姉さんが演じようとするのなら、それは姉さんそのものなのよ」

 雪乃のいい分もある意味正しい。人間だれしも理想の自分を演じようとする。
 もちろんたいていの人間は途中で挫折するし、理想の自分など演じきる事は出来ない。
 しかし、ありまる才能があり、小さい時から演技をする事を強要されてきた陽乃さん
ならば、可能だと思えてしまう。普通の人間なら挫折してしまう理想の自分を、
陽乃さんならば自分を押し殺して演じきってしまうだろう。
 そしていつしか自分がわからなくなり、演じている自分が素の自分となり、
素の自分が消え去ってしまった。
だから、俺をときおりどきりとさせる陽乃さんは、もしかしたら、陽乃さんが消し去って
しまった「本来のあるべき」素の陽乃さんの痕跡なのかもしれないと思えてしまう。

八幡「そう捉える事も正しいんだろうな。たしかに母親の理想に近い娘を演じてきたし、
   それを本人も納得っていうか、諦めていたとも言えるけど、なんつぅか……、
   自分の中の一部にしていたとは思う。でも、それが陽乃さんのすべてではないだろ。
   あんなはちゃめちゃな性格の陽乃さんを、あの母親の理想だとは思えない。
   どう考えたって母親の理想からは程遠い」

雪乃「妹の私が言うのもなんだけど、姉さんはしっかりと成績としての記録は残しては
   いるけれど、でも、実際の姉さんの言動はその成績をとった人間とは思えないくらい
   人格が破綻しているわね。点数だけなら優等生だから、姉さんを知らない人から
   すれば人格者なのかもしれないわ。ところが人格面、学生生活の面で言うならば
   問題児よね。問題にはならない範囲ではあるけれど。それでもカリスマ性とでも

  いうのかしら。同級生や後輩には好かれているから不思議よね」

八幡「その問題に上がらないところまでが陽乃さんのせめてもの抵抗だったのかもな。

  もし問題になってしまったら、あの母親に知られてしまうからな」

雪乃「お母さんは知っていたと思うわ」

八幡「はい?」

雪乃「お母さんが知らないわけないじゃない。教育関係者にも母とのパイプはあるのよ?
    しかも、あの目立つ姉さんの事だから、きっと母のところにも姉さんの
    学生生活の様子は伝わってきているはずよ」

八幡「いまさら驚く事はもうないとは思っていたが、スパイもそこらじゅうに
   いるんだな。俺達も見はられている、とか? なんちゃってなぁ……、ははは」

 乾いた笑いしか出てこねぇ。だって雪乃は神妙な顔をしているだけで、
俺の言葉を否定してこなのだから。
 つ〜ことは、スパイいるんですか? まじっすか? ほんとに?
こんなしがない大学生を調査したって、埃しか出てきませんよ。誇りは持っていないけど。
 長いものには自分から巻かれにいくが持論なんでね。

八幡「否定しないんだな」

雪乃「あの母の事だから、大学の成績もすべて筒抜けだと思うわよ。そうね、
   昨日姉さんに騙されて連れ回された事もしっているかもしれないわね」

八幡「それは冗談抜きで怖いから」

雪乃「冗談よ。さすがに自宅に監視カメラは設置していないわ」

八幡「その発想が出てくる事態怖すぎるだろ」

雪乃「そのうち慣れるわ」

八幡「……慣れたくねぇって」

雪乃「さて、冗談はおいておいて、姉さんは母が許容できる範囲内の雪ノ下家長女の
   雪ノ下陽乃といったところかしら。完ぺきではないけど理想からは外れてはいない。
   むしろ完璧を回避することで息抜きとして機能していたとも考えられるわね」

 本当に冗談ですよね? ね? ……あの女帝に慣れるってあり得ませんよ?

八幡「そんなろころかもしれないな。あの母親の理想を完璧に演じきれるとしたら、
   それこそ心を空っぽにしないとできやしねえよ」

雪乃「そうかもしれないわね」



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