過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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981:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/08/27(木) 06:12:38.33 ID:VmY0mOfo0

第60章


 今日も気温はこれからますます上がっていくというのに、
駅から出てくるディスティニーランドへいくお客さん達のテンションは下がる事はない。
 灼熱の太陽が頭上に昇っていようと、これからももっと気温が上がっていこうと、
一時間以上もアトラクションの列に並ばなくてはならなくとも、
彼ら彼女らにとっては些細な出来事の一つのようだ。
 むしろ駅から出てディスティニーランドが視認したことで、電車の中で抑えていた
テンションを解放し、マックスだったテンションの上限がさらに跳ね上がったんじゃ
ないかって思えてしまう。冷房がよく効いた車内で冷静に観察している私にも、
彼らからにじみ出る笑顔を理解することができた。
 一方で、わたしの隣にいる冷めすぎている男は、そんなはしゃぎまくっている
みんなを見て、真冬の視線を送ってはいたけど、それはそれで嫌いではないのよね。

八幡「暑いのに元気ですね。俺だったらこのまま車の中で本を読んでいますよ。
   電車できたとしたら、冷房が効いている電車から出た瞬間にもう一度電車に
   乗り直すって断言できますね」

陽乃「それだと家に帰れないんじゃないかな?」

八幡「ですね。だったら、帰りの電車に乗りますって事でお願いします」

陽乃「さすがの八幡も暑さにやられて、いつものきれがないわね」

八幡「暑さにやられてっていうのはあってはいますが、
   今は冷房がほどよく効いた車ですけどね」

陽乃「そうね。まあ、冷房が程良く効いた車で読書にふけるのもいいけど、
   さすがに車内だと窮屈じゃない?」

八幡「まじめに受け答えないでくださいよ。こっちが恥ずかしくなるじゃないですか?
   いや、わざとですよね?」

陽乃「うん、わざとに決まってるじゃない」

 これからディスティニーランドに行く人々の笑顔にも負けないほどの激しい笑みを
送ると、露骨に嫌そうな笑顔を返してくる。
 ある意味枯れてるって評価をしてもいいんだけど、わたしも付き合いで炎天下の中
遊びに行くのはご遠慮したいから、八幡の気持ちもわからなくはないのよね。
 自分で作ってしまった雪乃陽乃というイメージだけれど、他人の評価を気にしすぎる
のも面倒なのよね。いくら破天荒で予測がつかないっていわれようと、
人付き合いをないがしろにはできないのが難点ではある。
 これが八幡と遊びに行くのなら、今すぐにもUターンして真夏のディスティニーランド
だろうとおもいっきり楽しめる自信はあるけどね。

八幡「じゃあ、今度からはやめていただけると助かります」

陽乃「それじゃあつまらないじゃない。そ・れ・に、八幡も楽しんでるでしょ?」

八幡「陽乃さんだけですよ、楽しんでいるのは」

陽乃「ん、ん〜……。陽乃、さん?」

八幡「陽乃だけですよ。楽しんでいるのは」

陽乃「うん、よろしい」

 雪乃ちゃんの前では遠慮しちゃうけど、私の前だけだったら遠慮しないわよ。
 そもそもふたりっきりでいられる事自体が少ないんだもの。
 貴重な時間は有効活用していかないとね。

八幡「人って、外は暑いってわかっているのに、なんで頑張って遊びに行くんで
   しょうね、苦行が好きなんですか?」

陽乃「いくらなんでも、今からディスティーランドに行く人たちは苦行だとは思って
   いないと思うわよ。そうね、夏だからじゃないかしら?」

八幡「夏じゃなくても人は遊びに行ってるじゃないですか。むしろ秋なんて気候も
   落ち着いているから、外で活動するにはもってこいの季節じゃないですかね。
   だとすれば、夏よりは秋の方が遊びに行くには適していますよ」

陽乃「じゃあ、夏休みだから、かな?」

八幡「休みって、名がついているんですから、遊びに行って無駄な体力を
   消費するよりも、家で体力を回復させる為に休むべきです」

陽乃「べつにこのままわたしの家まで戻って、ゆっくりと休んでもいいわよ?」

八幡「ほんとですか?」

陽乃「ええ、今日は両親がお客さんを家に招いているから、わたしも家に戻ったら
   挨拶くらいしないといけないと思うけど、……挨拶さえしておけば、
   あとはゆっくりとわたしの部屋で休憩できるわよ?」


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