31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/29(木) 20:15:12.55 ID:jPxrNCQ30
「……鷺沢、お前、耳年増だろう」
「…………っ!」
図星なのか、顔ごと伏せる鷺沢。
いや、なんとなく予想はついたけれど……。
そういえば普段もアイドルたちの女子トークでちょっとエッチな話題が出ると、今みたいに顔を赤くしてちらちら見ていた記憶がある。
まあ、男と全く縁のない人生を送ってきても、本という知識の宝庫に常に触れていればこうなるだろう。
ああそうだ、照れる鷺沢はいつまでも見ていたいくらいだが、言っておかなければならないことがあったんだ。
「なあ鷺沢……アイドル、続けられそうか?」
本の想いを代弁出来るほどに本が大好きな少女は、スカウトされアイドルの世界に足を踏み入れたものの、それは何処か居心地の悪そうに見えた。
何も本人が望まないことをやらせる訳にもいかない。
勘だが、あの背紙魚を宿した本は鷺沢と出会う為にあの書庫に在ったのでは、と僕は考える。
もし予想通りあの本がそのためにあの書庫に収められたというのなら、人もあるべきところに在るべきなのだから。
鷺沢は何を言うべきか少し考え込んだ後、ゆっくりと鈴の音のような声で話し出した。
「少しびっくりはしましたけれど……私は平気ですよ」
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