32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/29(木) 20:16:37.35 ID:jPxrNCQ30
「鷺沢……」
「まさか、生きているうちにフィクションの世界のような出来事に出会えるとは思いませんでしたから……今まではアイドル活動も実感がなくて、夢うつつのようでしたけれど、アイドルはノンフィクションじゃありません……そうですよね?」
「ああ、その通りだ」
「なら、大丈夫です。あんなことが起こり得るこの世界なら、私がアイドルをやることもおかしくないと思えるようになりました」
雨降って地固まる、ではないが、今回の件は鷺沢に自意識を持たせるのに丁度いい機会だったようだ。
テレビの向こうの人達は別世界の住人。
僕もそう思っていた時はあった。
芸能人やミュージシャンなんて、アニメや小説の登場人物と同じだと。
けれど何も彼等はアイドルは夢の世界、創作の世界じゃない。
意外と近くにあるものなのだ。
そしてそれを叶えるのが僕の仕事だ。
シンデレラプロのコンセプト、身近なアイドルとはそういう意味だ。
鷺沢がアイドルを望むのならば、僕もそれに全力で応えよう。
「ああそうだ、借りてた本を返すよ。面白かった。感想はまた今度、ゆっくり詳しく話すからさ」
「はい。楽しみにしています」
返した本を受け取り、何気なく中身を確認する鷺沢。
…………ん?
ちょっと待て、あのブックカバーはつい先日買ったやつじゃないぞ?
あれは確か……この間神原が遊びに来て忘れて行った……!
46Res/42.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。