7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/29(木) 19:30:01.30 ID:jPxrNCQ30
「あ、カフェオレを一つ」
「かしこまりました」
鷺沢の対面に座り、注文を取りに来た店員に告げる。
ふと鷺沢がブラックコーヒーを注文しているのを見て少々後悔した。
小学生ではないのだが、やはりブラックコーヒーといえば大人というイメージがある。
年下の、しかも女性の鷺沢を差し置いて年上の僕がカフェオレ(しかも砂糖を入れる予定だ)を頼んだことにこだわっている僕は狭量なのだろうか。
「プロデューサーさん……? どうかしましたか?」
「いや、何でもない。打ち合わせをしようか」
せめてもの抵抗として届いたカフェオレに何も入れず、鷺沢と打ち合わせを始める。
僕が資料を片手に説明する間、鷺沢は身動ぎひとつせずに真剣に聞いてくれているようだった。
「……というのが今後の方針だけど、何か質問はあるか?」
「あ、いえ……ありません」
鷺沢は目を伏せてどこか居心地が悪そうだった。
というか、僕は未だ鷺沢と打ち解けられていない感がある。
諸星や日野、城々崎姉妹のようにあちらからグイグイ押してくる子ならば妹や神原という前例から慣れているし楽なのだが、鷺沢や森久保といった引っ込み思案な女の子の扱いは少々苦手なのだ。
何せ会話が続かない。
あちら側から話題を振ってくることがほぼない為、今日この瞬間のように本題を話し終わってしまうと何処か気まずい雰囲気になってしまうのだ。
だがそれではいけない。
人間は成長する生き物だし、僕にとってはプロデューサーとしての仕事でもある。
担当アイドルのモチベーション管理。
言葉だけなら難しい資格や知識も要らないし容易に聞こえそうなものだが、明確な形がないだけにバリエーションに富み過ぎていて難しい。
そうだな、ここは親睦を深める為にも鷺沢が好きな本の話題でも出してみようか。
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