過去ログ - メカクレ傾城書店員鷺沢文香『失伝した地方祭事の再現に関する研究』 -SS速報VIP

過去ログ - メカクレ傾城書店員鷺沢文香『失伝した地方祭事の再現に関する研究』

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51: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 20:57:44.43 ID:PF1tdIG6o
「行ってみよう。多分、登り口があるはずだ」

「何の」

「……旧い神の」

以下略

52: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:04:36.45 ID:PF1tdIG6o
じぃーーーーーー……きりきりきり……

有機的な音と、むせ返るような緑の馨気。

「……だいたい、わかったんだ」

以下略

53: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:17:26.65 ID:PF1tdIG6o
奇岩。

巨岩。

それは、あまりにも原初の。

以下略

54: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:25:22.06 ID:PF1tdIG6o
「……いはくらです」

するり、と、岩の広場中央に鎮座する一際偉容の影からまろび出る。

「文香さん……」

以下略

55: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:32:40.79 ID:PF1tdIG6o
「まだだ！　はじめの巨岩信仰はどうした！　鳥居を見ただろう、精霊信仰は寺社建築伝来以後も続いている！」

「絶えました」

「尽きましてー」

以下略

56: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:49:54.09 ID:PF1tdIG6o
「鬼を倒すのが雨乞いなんじゃない。鬼を倒して雨乞いをするんだな？」

「その通りです。鬼がいたから、秘祭が執り行えなかった」

「不運なことに、鬼が流れ着いてから日照りが始まってしまった」

以下略

57: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 21:55:57.15 ID:PF1tdIG6o
「最初の質問に、まだ答えていないぞ」

きっ、と見据える。

「何も嘘などついていないと言うつもりか。覆い隠して。口を閉ざし、記録を伏して！」

以下略

58: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 22:17:29.52 ID:PF1tdIG6o
「今、巫覡が神降ろしをしたところで、伝統儀礼以上の意味を持ちません。

　グロソラリアは神的存在からの言葉ではなく、今や単なる譫言でしか、ありません……」

「……」

以下略

59: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 22:25:54.18 ID:PF1tdIG6o
「私は……私は……科学者だ……!!」

諸手で顔を覆い、悲痛な声を絞り出す。

「なんで……っ……」

以下略

60: ◆3feiQFueVc[saga]
2014/06/16(月) 22:32:39.66 ID:PF1tdIG6o
芳乃が岩の上にひょいと立ち上がると、下からは見えないところへ姿を消す。

そして、ひょこっ、と文香の隣に顔を出した。

「帰りましょう。船が来ますゆえー」

以下略

61: ◆3feiQFueVc[sage]
2014/06/16(月) 22:34:00.10 ID:PF1tdIG6o
卜部神道の実在を疑うというのは相当な過激派ではあります。

次で完結したい

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