過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/09(日) 10:34:20.09 ID:+3BGlNmE0
じりじりと時を過ごす教師が近づく足音を捉えたのは開会の十分前だった。それもひとつではない、複数人のものだ。思わず腰を浮かせた教師が振り返ると同時に扉が開いた。

「……おや、早いね」

そう言って教頭は顔をしかめた。
教頭の後ろからぞろぞろと同僚たちが姿を現した。手に持った座席表のような紙に目を落としたまま、挨拶もせずに席に着いていく。教頭は満足気に頷いて、たった今教師に気が付いたというふうな表情をした。

教頭「おや、そこは私の席なのだが。どいてくれないかね?」

教師「……それは申し訳ありません。私の席がどこかわからなかったもので」

教頭「ほう? 前もって座席表は渡してあっただろう。まさかとは思うが、失くしたというのではないだろうね」

教師「それは――」

教頭「確かに渡したはずだよ、私はね。私は渡して、君たちは受け取った。だから、ほら」

教頭が手で示した同僚たちは整然と座って、鞄から何かの紙束を取り出していた。

教頭「君以外の全員が自分の席にいる。ああ、その様子だと、座席表どころか会議資料まで持って来ていないようだね。いったい何しに来たのかね? やる気が無いのか?」

くすくすと笑う声がそこかしこから聞こえた。ひときわ大きい、耳障りな話し声は副担任だ。ざわざわとする会議室に、教頭はしたり顔で頷いて椅子に座った。

教頭「なにをぼーっと突っ立っているんだね? さっさと席に着きたまえ。ああそう、予備の資料などはないよ。手ぶらで職員会議に来るような不届き者のためにわざわざ用意する必要などないだろう?」

教師は無言で、唯一空いている向かいの端の席に行った。資料を見せろと言っても無駄だろうから、隣の副担任が何事かを話しかけてくるのを聞き流す。
彼らの魂胆が、教師に職員会議の準備期間を与えないことだったのは明らかだ。わざわざこんな小細工を打ってくるということは、この会議の方向性も怪しくなる。

胸騒ぎが止まらない教師に関係なく、校長の到着を待って、緊急職員会議は定刻通り開会した。



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