過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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328:名無しNIPPER[saga]
2015/09/12(土) 23:33:26.87 ID:MdVRbq9e0
不審な行動をしている生徒がいるそうだ、と先生は言った。

「生徒の一人が、普段通らない道を通って、普段行かないような家に上がり込んでいる。何か心当たりはないか、と訊かれた」

おかしな話だろう? そう言った先生はくすりとも笑わない。

「これは学外の人間から通報を受けたものだ。目撃者が学校関係者なら、わざわざ私にお伺いを立てるまでもない。では生徒か、というと、それもない。彼らがあの学校の教員を頼るはずがない」

学外の人間しかありえない、と先生は断言した。
たしかに奇妙な話ではある。先生の話の内容、つまり学校側の言い分など私は知らない。なぜ今になって、あの学校が先生に接触してくるのかということ――そして、もうひとつ。

「さて、学外からの通報だとしよう。副担任は生徒の名前を一度も出さなかった。生徒の名前を秘匿したかったわけではない。私に隠したところで益はないから、彼は生徒の名前を知らなかったと考えるのが自然だ。――通報者が生徒の名前を明かさなかったから」

「通報者はその生徒と親しい間柄ではなかった。だがこいつはその生徒の顔と学校、普段通る場所まで正確に記憶している。制服から学校はわかるだろうか。顔も頻繁に顔を合わせていれば覚えるか? それでも、後をつけて行先を監視するのは異常ではないか?」

「だいたい、今の学校はこんなことを気にしていられるような状態じゃない。保護者への対応、教育委員会に、マスコミに嗅ぎつけられたらどうする? ……懸念材料が山積しているこのときに、なぜこんな下らない通報に手を割く?」

淡々と述べる口調は愉しげでも不快げでもない。ひたすら事実を陳列するような口振りに、退路が一つ一つ絶たれていく気がした。(退路――?)

退路とは、誰の?

「誰だと思う?」

心臓の鼓動が不吉な音を立てた。



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