過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/31(土) 10:00:24.59 ID:486492iU0
私の受け持つ2-Aは生徒数30名、うち男子が17、女子が13である。この30人はそれぞれ複雑に連結しあい、グループ化や階層化を経て複雑な社会を形成していた。――ただ1人を除いて。

この少女だけが完全にクラス内の人間関係から浮いてしまっていたのである。

それだけならよくある程度の、しかし本人には深刻な話、ということになる。
ところが厄介な事に彼女の場合、責任は彼女にはなかった。少なくとも彼女の内側は原因たりえない。

例えば。
例えば伏し目がちの、しかし本当は大きな瞳。すっきりと通った鼻梁、輪郭の描く繊細なラインとそこに覗く白い首筋。それと対照する鮮やかに赤い唇。清流のようにつややかな黒髪。そして控えめな表情に不釣り合いな、セーラー服を押し上げ、自己主張する肢体。

その少女は公立中学校の教室の一角に置いておくにはあまりに異質だった。

誰かと親しく話している姿をついぞ見た覚えがない。教室の喧騒をよそにただ独り、居住まいを正して座っている……。

――中学生にあるまじき『何か』を生まれながらに持った、そしてそのために周囲から疎外される少女。

それが私にとって彼女とはそういう生徒だった。



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