過去ログ - School Daysより「素直な気持ちになるために」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
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2014/05/31(土) 22:04:58.69 ID:Ob2BSVLt0
今晩は。またまた、やって参りました。
前作同様、およそ7年前に書いた作品です。
「素直な気持ちで」ルートを元にしているため、
世界寄りの内容となっていますが、それでもよろしければ、お読みください。
前作:「School Daysより「鮮血の結末」…その後」
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2014/05/31(土) 22:06:21.52 ID:Ob2BSVLt0
榊野学園の屋上。
本来、学生は立ち入り禁止なのだが、
天文部という部を再興したいという口実で、
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2014/05/31(土) 22:07:00.26 ID:Ob2BSVLt0
期末試験も終わった12月下旬の、ある昼休み。
もう初雪も降っており、いよいよ冬本番という寒さがやってきていた。
なので、昼食を食べるために屋上に行くことは滅多になくなっていたが、
以下略
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2014/05/31(土) 22:07:30.50 ID:Ob2BSVLt0
お弁当も食べ終えた頃に、ふと、言葉が切り出してきた。
「あ、あの、誠君」
「何?」
以下略
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2014/05/31(土) 22:08:10.45 ID:Ob2BSVLt0
言葉から、そのプランを聞いて、誠は正直、違和感をぬぐうことができなかった。
クリスマス・イブの夜を、恋人である、言葉と過ごす。
以下略
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2014/05/31(土) 22:09:21.44 ID:Ob2BSVLt0
そして、その部屋ですること…男女が二人でやることと言えば、ただ一つ。
誠は、学祭の時に言葉とエッチなことをしたことを思い出したが、
前回のは胸でしてもらっただけで、今度がいわゆる「本番」となる。
以下略
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2014/05/31(土) 22:09:56.47 ID:Ob2BSVLt0
誠は違和感を抑えきれないまま、「考えておくよ」と、うやむやな返事をしておいた。
しかし言葉は、その日のうちに、世界に誠が応じてくれたと電話で話してしまった。
嬉々とした様子で話す言葉。恋人との一夜を心から望む、無邪気な喜びがあった。
以下略
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2014/05/31(土) 22:10:43.08 ID:Ob2BSVLt0
一方その頃、誠は東原巳駅に向かって歩いていた。
妹の止(いたる)が、父親の家から逃げ出し、
電車で勝手に誠の家の方へ向かったという連絡を、父親から受けたのだ。
以下略
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2014/05/31(土) 22:11:55.67 ID:Ob2BSVLt0
誠を見た止は、兄に叱られるのではと泣いていたが、
止の事情も分かっている誠は、妹を強く責めることはしなかった。
「おにーちゃ、止のこと、許してくれる?」
以下略
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2014/05/31(土) 22:13:23.99 ID:Ob2BSVLt0
誠が駅前の学習塾が建ち並ぶ道路の脇を歩いていると、不意に誰かに声をかけられた。
「あれ、もしかして、お姉ちゃんの…?」
声がする方には、見たことのない小さな女の子がいた。
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2014/05/31(土) 22:14:35.44 ID:Ob2BSVLt0
「そうだ、誠くん」
心は、初対面の誠をタメ語で呼び、突然切り出した。
「お姉ちゃんね、今年は家族で一緒にクリスマスをやらないっていうの」
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2014/05/31(土) 22:15:26.22 ID:Ob2BSVLt0
「…そうなんだ」
「誠くん。お姉ちゃん、ふつつか者だけど、よろしくお願いします」
心は、ませたことを言いつつ、頭をぺこりと下げた。
以下略
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2014/05/31(土) 22:16:01.33 ID:Ob2BSVLt0
そして、…そう、言葉と付き合う前、
電車で彼女のことを見つめていた頃に感じていたことを、
誠は今さらのように思い出した。
以下略
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2014/05/31(土) 22:16:52.65 ID:Ob2BSVLt0
そんなことを考えながら、止を背負い、誠は家に着いた。
「お帰りなさい。止、大丈夫だった?」
心配そうな母親の声に、誠は答えた。
以下略
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2014/05/31(土) 22:17:28.79 ID:Ob2BSVLt0
「…何でも、クリスマス・イブが待てなくて、こっちに来たんですって」
母親は、父親からの電話で聞いたことを、誠に話した。
「止、学校で、いじめられたりしてないかなぁ」
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2014/05/31(土) 22:18:36.67 ID:Ob2BSVLt0
「クリスマス・イブ」
「え?」
「止の学校、イブの日に二学期が終わるから。
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2014/05/31(土) 22:19:19.74 ID:Ob2BSVLt0
それから、少し考えて、誠は切り出した。
「ねえ、母さん」
「何?」
以下略
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2014/05/31(土) 22:20:20.17 ID:Ob2BSVLt0
「VIPルームとか、一生のうちに一度も使いそうにないわよね。
お母さん、ヒルズのパンフレット見て、びっくりしちゃったもの。
誠も、見た? すごいわよ、桁が違うから」
母親はそう言うと、買い物用のバッグからヒルズのパンフレットを取り出し、
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2014/05/31(土) 22:20:51.25 ID:Ob2BSVLt0
誠が家で母親とそんな会話をしている頃。
言葉との電話を終えた世界は、ベッドの中で丸くなりながら、
完全に打ちのめされていた。
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2014/05/31(土) 22:21:54.43 ID:Ob2BSVLt0
これでイブの日に誠と言葉が結ばれたら、決定打となり、
自分が二人の間に入り込む余地は、もう完全になくなるだろう。
こんな時、親友の清浦刹那さえいてくれればと思ったが、
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2014/05/31(土) 22:22:21.36 ID:Ob2BSVLt0
「誠は、今でも、私のこと、好きでいてくれてるのかな…」
今日の帰り際、駅のホームでの会話を思い出しながら、世界は独りごちた。
…もし、他の女の子から告白されても気持ちは揺るがないかと聞いたら、
以下略
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