過去ログ - School Daysより「素直な気持ちになるために」
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2014/05/31(土) 22:13:23.99 ID:Ob2BSVLt0
誠が駅前の学習塾が建ち並ぶ道路の脇を歩いていると、不意に誰かに声をかけられた。
「あれ、もしかして、お姉ちゃんの…?」
声がする方には、見たことのない小さな女の子がいた。
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2014/05/31(土) 22:14:35.44 ID:Ob2BSVLt0
「そうだ、誠くん」
心は、初対面の誠をタメ語で呼び、突然切り出した。
「お姉ちゃんね、今年は家族で一緒にクリスマスをやらないっていうの」
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2014/05/31(土) 22:15:26.22 ID:Ob2BSVLt0
「…そうなんだ」
「誠くん。お姉ちゃん、ふつつか者だけど、よろしくお願いします」
心は、ませたことを言いつつ、頭をぺこりと下げた。
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2014/05/31(土) 22:16:01.33 ID:Ob2BSVLt0
そして、…そう、言葉と付き合う前、
電車で彼女のことを見つめていた頃に感じていたことを、
誠は今さらのように思い出した。
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2014/05/31(土) 22:16:52.65 ID:Ob2BSVLt0
そんなことを考えながら、止を背負い、誠は家に着いた。
「お帰りなさい。止、大丈夫だった?」
心配そうな母親の声に、誠は答えた。
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2014/05/31(土) 22:17:28.79 ID:Ob2BSVLt0
「…何でも、クリスマス・イブが待てなくて、こっちに来たんですって」
母親は、父親からの電話で聞いたことを、誠に話した。
「止、学校で、いじめられたりしてないかなぁ」
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2014/05/31(土) 22:18:36.67 ID:Ob2BSVLt0
「クリスマス・イブ」
「え?」
「止の学校、イブの日に二学期が終わるから。
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2014/05/31(土) 22:19:19.74 ID:Ob2BSVLt0
それから、少し考えて、誠は切り出した。
「ねえ、母さん」
「何?」
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2014/05/31(土) 22:20:20.17 ID:Ob2BSVLt0
「VIPルームとか、一生のうちに一度も使いそうにないわよね。
お母さん、ヒルズのパンフレット見て、びっくりしちゃったもの。
誠も、見た? すごいわよ、桁が違うから」
母親はそう言うと、買い物用のバッグからヒルズのパンフレットを取り出し、
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2014/05/31(土) 22:20:51.25 ID:Ob2BSVLt0
誠が家で母親とそんな会話をしている頃。
言葉との電話を終えた世界は、ベッドの中で丸くなりながら、
完全に打ちのめされていた。
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2014/05/31(土) 22:21:54.43 ID:Ob2BSVLt0
これでイブの日に誠と言葉が結ばれたら、決定打となり、
自分が二人の間に入り込む余地は、もう完全になくなるだろう。
こんな時、親友の清浦刹那さえいてくれればと思ったが、
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