2: ◆2BIJ5nUpEk[saga]
2014/06/01(日) 22:56:47.77 ID:jYhc2yQnO
ババンバン! というゴム弾の鈍い銃声が、背中側から炸裂した。
強烈な衝撃に身体を押し出された土御門は、眼下に広がる河に投身しながら、激痛とともに気絶した。
……意識のない者が川の底に沈んだ場合、その生存確率は恐ろしく低いと言ってもいい。
だから、次に目を覚ました時、彼はそこが死後の世界だと考えた。
禍々しい色に囲まれた空間。鼻をつくような異臭も漂っている。
確かに、自分が死ねば天国に行けるなどとは思っていない。むしろ、客観的に、間違いなく地獄行きだろう。あまりに自分は他人を騙り、殺しすぎた、と思う。
小さな復讐が終わって、『処刑』という名の処罰を与えられて、無様に死亡した。
と考えて疑わなかったがーーー、
「おや、目覚めてしまったか。このまま死体となってくれれば、私の恋人にしたかったのだが」
ハッとして薄目を見開き、意識が完全に覚醒する。前方は変わらず禍々しい部屋。いや、それだけではなかった。悪い霊にでも取り憑いているんじゃないかというぐらい顔色の優れない白衣を着た女性が、ベッドの上に横になっている土御門の顔色を伺っていた。
実に怪しげだった。
(ここは、一体……?)
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