過去ログ - 京太郎「俺がハンドボールをやめた理由」
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2014/06/03(火) 23:11:13.31 ID:rxHh/dJO0
それに最初に気付いたのはどうやら俺だったようで、周りはまだ話を続けていた。
話に戻ろうと思ったが、どうしても音のことが気になって、ちらちらとそちらの方を向くのを止めることは出来なかった。
俺が天井の方にばかり目をやっていることを不審に思ったらしいチームメイトが、どうしたのかと声をかけてきた。
特に隠す理由も無いので、俺は皆にありのままを伝えた。
一瞬俺の気のせいだろうというムードが広まったが、やはりその音は俺以外にも聞こえたようで、直ぐに皆は真剣味を帯びた表情で、天井の方に注意を向け始めた。
飛行機でも飛んでいるのでは、と後輩の一人が言ったが、俺はそれを否定した。そうであるにしては、余りに音の続く時間が長すぎると。
体育館の設備か何かがああいう音を出しているのでは、とチームメイトの一人が言ったが、それは皆が否定した。これまで長くこの体育館を使ってきたが、こんなことは一度も無かったからだ。そのチームメイトもそれを聞いて、確かにと納得した。
それからも幾度かこれではないかと言うことが話し合われたが、結局その正体の考察は不毛に終わり、結論は出なかった。
ただ何にせよこれでは練習に集中できないと、その音が過ぎ去ってから再開しようという話になったが、待てども待てども、その音は天井の辺りに残り続けた。
腹立たしさだけが募る中、とうとう皆は(もちろん、俺も)辛抱が効かなくなり、気味が悪いから今日はこれで帰ろうということになった。
反対する者は居らず、皆でそそくさと帰る準備を始めた、その時だった。
音が大きくなっていることに後輩の一人が気付いた。
耳を澄ますと、確かに音は大きくなっていた。それも現在進行形でどんどんと。まるで、巨大な何かがこちらに接近してきているかのように。
ここに至り俺は、なんだかよく分からない恐怖感にかられて無性に走りたくなった。そう感じたのは皆も同じだったようで、俺達は共鳴するかのように一斉に猛烈な勢いで走り出し、一刻も早くこの場から離れようとした。
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