過去ログ - とある学生の雷神右方-Reincarnation-
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30: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/06/15(日) 21:13:26.21 ID:s1UgheBo0

ぱっきり。

チューペット型のアイスを二つに割り。
その片方をハンカチで包み、つい、と彼女は差し出してくる。

「……別にハンカチで包まなくても良いだろ。ご馳走様」
「プリントが濡れてしまっては文字が滲むだろう。どういたしまして」

むぐむぐ、とチューペットを口に含む。
吸い上げると、コーヒー味のアイスが口の中いっぱいに広がった。
甘くて涼やかで美味しい。微細氷が中身に含まれているらしい。
この間食べたかき氷とは質量が違うが、身体が冷えるのは変わらない。
夏場はクリーム系のアイスよりも氷華の方がおいしい。

「……ふ」
「何だよ」
「悩むと文字が汚くなる。わかりやすいな、と」
「お前な……」

ちょっかいを出しながら、フィアンマは面白半分にトールを眺めている。
性格悪いな、なんて思いつつ、トールは頑張ることにした。
これ以上笑われるとプライドに関わるので、さっさと片付けてしまいたい。

「っつーか、そんなに見てるなら手伝ってくれよ」
「それではトールの為になるまい」
「クソ、正論言いやがって」
「そういえば、間もなく文化祭だな」
「ああ、そういやそうだな」

夏休みを終えると、文化祭の準備が始まる。
この学校は珍しく、文化祭の後に体育祭があるのだ。
すっかりクラスに慣れた彼女にとって、クラス毎の出し物は楽しみ且つ興味深いらしい。

「フィアンマは何か希望あんのか?」
「特にはないな。周囲に任せるとするよ」



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