過去ログ - とある学生の雷神右方-Reincarnation-
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29: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/06/15(日) 21:12:57.78 ID:s1UgheBo0

課題が終わらない。

トールの当面の悩みを一言で表現するとそういうことである。
ダメだ終わらない、と頭を抱えている間にも非情な友人は帰宅していく。
仕方がないことである。自分だって逆の立場なら帰る。
そもそも、男性同士の付き合いなんてのはそんなものだ。
これが生きる死ぬの問題なら、かえって絶対に助けるのだが。

「…ん?」
「いや何、悩んでいるように見えてな」

前の席に、気がつけば彼女が座っていた。
赤い髪を退屈そうにいじくっている。

「課題終わんねえんだよ。お前は?」
「既に終わっているよ」
「ちぇ」

肩を竦め、トールはシャープペンシルを握る。
目下のところ、目の前の国語の課題を片付けてしまわねばならなかった。

「作者の気持ちを考えなさい、って無理があるだろこれ」
「その様子で女心も読めなさそうだな」

そんなことは、と口ごもる。
彼女はくすくすと笑い、一度立ち上がる。
そうして教室を出て行くと、二十分もせずに戻って来た。


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