過去ログ - とある学生の雷神右方-Reincarnation-
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63: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/08/14(木) 00:48:49.71 ID:iVEChZGE0


「…っ、」
「…トール? 頭痛でもするのか?」
「…いや、大丈夫だ」

ふるふると首を横に振り、トールは空き缶をゴミ箱へ投げながら言う。

「そろそろ行こうぜ。探されちまう前に」
「そうだな」

残りを一気に飲み干し、フィアンマもゴミ箱へ空き缶を投げ込む。
がしゃごん、という音を立て、空き缶は綺麗に納まった。







「キスシーンいれちゃった。あ、最後の方よ?」

語尾にハートマークでもつけそうな声で、脚本担当女子生徒はそう言った。

「……キス?」

ほとんど思考回路の働いていない状態で、フィアンマは聞き返した。
うん、と女子は悪びれもなくにこにこーっと笑って。

「だってフィアンマちゃん、トールくんの事好きでしょ?」
「、」

思わず演技用の籠を握りつぶすところだった。
そんなことはない、と否定は出来なかった。

だって、事実だったから。

反論しようにも図星なのだ、どう言い返せば良いのか。
誤魔化しも嘘も、自分に正直でない気がする。

「演技だって言えばあっちだってし易いだろうし」
「一夏の思い出ってやつか!」
「夏はもう終わってるでしょ、ばか」
「キ、スは…まだ、はや…」
「キスから始まる恋もあるって。そのためにー…あ、今のなしなし」

クジに細工したんだから、という発言はなかった。
不正はなかった。



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